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創業126周年:五洋建設の来期は悲願の海外事業「黒字化」如何!?
五洋建設(1890、東証プライム市場)。準大手ゼネコン。マリコン(海洋関係ゼネコン)では最大手。
【こちらも】解体工事専業:田中建設の収益動向は読みづらいが、中計は着々とこなしている
海洋土木は具体的にいうと、埋め立て・浚渫(船を使い海底の土砂を収集)/護岸・防波/海底工事/橋梁基礎工事/海底トンネル工事を手掛ける。多々実績を積み重ねてきた、創業126周年を迎える企業である。と同時に現在では海外土木に注力、かつ一般土木・建設にもその業容を拡大している。
「スエズ運河拡幅」「関西国際空港:2期空港島増勢」「東京国際空港:拡張造成」「シンガポール・チャンギ国際空港:用地造成」「大井埠頭」「レインボーブリッジ」「東京湾アクアライン」「東京国際クルーズターミナル」「神奈川歯科大学附属病院」「四川ダム」等々、実績を指折り数えたらきりがない。
その収益動向は「時代」を反映している。
2024年3月期は「23%増収、607.3%営業増益に」。五洋建設では「防災・減災、国土強靭化対策等の堅調な公共投資の継続や、経済安全保障の観点からの民間設備投資の増加で・・・国内土木事業(34.3%増収、59.6%営業増益)/国内建築事業(16.5%増収、133.4%営業増益)となった。
が海外事業は13.2%増収(1506億円)も船舶の稼働率低下による船舶管理収支の悪化に加え、為替変動の影響等による工事損失額の増加で・・・・」と説明した。注力している海外部門での体制確立の歩みが予想通りではないことを浮き彫りにした。
対し今3月期は、2月7日時点で期初計画を売上高は「12.3%」に上方/営業利益は「28.0%減益」へ下方修正。
「海外は複数の大型海上工事で採算改善が進むが、今期概成及び完成する大型工事で追加工事損失の計上で売上高130億円の減少が発現。結果営業利益は計画比で80億円減少する」としている。
五洋建設は海外事業(国際事業)の本社をシンガポールに設け、香港・ベトナム・インドネシア・マレーシア・タイ・中東・ミャンマーに営業所を配している。前期・今期の動向を窺う限り、海外部門の向上が今後のカギと言える。
五洋建設自体、来期を「中計最終年度となる。国内土木・国内建築・海外のいずれも手持ち大型工事の進捗が見込まれる。また海外の黒字転換が想定されることから、初の売上高7000億円超、最高純益250億円を目指す」としている。
本稿作成中の時価は720円台水準、予想税引き後配当利回り2.75%。算出者4人中4人が「強気」のIFIS目標平均株価が843円なのも、来期に期待を示した結果とも言えようか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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