関連記事
当面料金据え置き、年3-5店出店、ビジネスホテル:アメイズの足跡と今
アメイズ(福証単独上場)。九州を地盤に郊外・ロードサイド型のビジネスホテル「AZ HOTEL」を展開している。福岡県の23件をはじめ熊本・大分・宮崎・鹿児島・佐賀の各県に計62件、山口以下の10県に19件が稼働している。各ホテルに付随する飲食業も営んでいるが、その収益動向を「経済・人流」の判断基準として見守ってきた。
【こちらも】上場1年半余で2回の分割 建設足場レンタル・販売のASNOVAとはこんな会社
改めるまでもないだろうが、2020年/21年11月期は沈んだ。営業利益は「58.2%減益/22.2%減益」という状況。22年11月期は立ち直りの気配を明らかにした。
そして今11月期も慎重な期初予想で立ち上がったが、7月12日に通期計画を上方修正(前期も期中に上方修正)。「13.74%の増収(165億円)、8.9%の営業増益(39億円)」。第3四半期も「前年同期比18.95%増収(124億4000万円)、41.5%営業増益(30億600万円)」で無難に通過。上方修正の理由を、こう発信している。
「新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除され、抑制されていた消費の反動や広島G7サミット開催に伴う特需等の一過的な増加要因があった上に、主要顧客であるビジネス・工事関係の顧客の利用が引き続き堅調であったことから、当初の予想を超えて伸展している・・・」
斯界に通じたアナリストからは、「インバウンド需要も今後を展望する上で、プラス要因になろう」とする指摘も強い。
アメイズの創業は1911年。「別府観光の父」とされる油屋熊八氏が建てた「亀の井旅館」が入り口。足跡は1世紀を悠に超える。ただ1世紀余を振り返ると、順風満帆な歴史だったとは言い難い。
詳細は省くが、福岡単独上場のジョイフルの傘下に入った(1994年)。が2002年にはジョイフルの当時の社長が職を辞し全株式を買い戻、アメイズを率いることになった。
これを機に積極展開の道を歩み始めた。「2018年までに100店を展開」と狼煙を上げたのは2007年。翌08年には「郊外型ビジネスホテルを全国展開する」と宣言。現在の社名に変えた2013年に上場を果たしている。
コロナウイルス感染症の影響は受けたものの、至るまでに相応の収益を積み重ねてきたことは23年5月時点の「利益剰余金122億1400万円/有利子負債23億1100万円」にも窺える。
本稿作成時点の時価は1200円台半ば、予想税引き後配当利回り1.3%水準。3月の年初来安値981円を底に揉み合いを経て6月下旬に動意づき、7月に1440円まで買われ調整場面。時価のPER8.6倍。割安感を覚えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク