エイジテックのチカク、ドコモと提携 高齢者向けICTサービスを共同開発へ

2023年5月29日 08:26

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 高齢者向けテクノロジー事業を行うチカク(東京都渋谷区)は24日、NTTドコモと業務提携を締結したと発表した。高齢者の新たなライフスタイルを創造するプロジェクトを共同で発足する。第1弾として高齢者向けのICTサービスの提供を開始する予定だ。

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 年内を目標に、1人暮らしの高齢者と家族をテクノロジーでつなぐサービスの提供を開始する。具体的なサービス内容は明かしていないが、情報と通信を組み合わせたICTサービスとして提供する。

 来年には超高齢社会における地域課題の解決につながる取り組みを、自治体などと本格的に検討するという。

 チカクは、スマホの撮影記録を実家のテレビに送信できる「まごチャンネル」を提供している。エイジテックに関する知見があり、それを活かす。

 NTTドコモもかねて高齢者を対象に様々なサービスを展開している。高齢者向けにシンプルに設計した携帯電話「らくらくフォン」や、体調管理や防災など高齢者の安心と安全の支援機能も搭載した「らくらくスマートフォン」。スマートフォンや専用デバイスを用い体重や血圧、歩数などの健康管理を行うサービスなどだ。

 また家電の使用状況から異常を検知し、家族や介護者に知らせるサービスなども行っている。

 国内の高齢化は進行しており、総務省の統計では、2022年9月時点で65歳以上が総人口に占める比率は29.1%に及ぶ。内閣府によれば、2036年には33.3%となり、国民の3人に1人が65歳以上になると予測されている。1人暮らしの高齢者も増加し、2040年には900万世帯になると試算される。

 また、国立長寿医療研究センターによると、社会との多様なつながりがあると、認知症リスクが半減するとの研究結果もある。

 こうした背景を受け、チカクとNTTドコモは、テクノロジーで高齢者に新たなライフスタイルを提案し、「デジタルの恩恵を誰1人取り残すことなく届ける」としている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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