クリーク・アンド・リバー社の好収益に見る:手に職の時代!

　生涯、1つの職場で働き続ける時代は終わった。そんな指摘のボルテージが日増しに強まっている。ただクリーク・アンド・リバー社（東証プライム。以下、クリーク&リバー）を覗くと、表現は古いかもしれないが「手に職を持っている」ことの重要性を改めて感じさせられる。クリーク&リバーはテレビ・ゲーム・Web・広告を主軸に、派遣・制作を手掛けている。

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　収益動向は好調そのもの。前2022年2月期の「12.0％増収、39.4％営業増益、355.0％最終増益（過去最高益）、4円増配20円配」に続き今期も、（収益認識に関する会計基準導入）で単純比較は出来ないが「5.3％の増収（440億円）、17.2％営業増益（40億円）、12.4％最終増益（25億円、連続最高益更新）、3円増配23円配」計画。開示済みの3-11月期は「332億円、33億円、24億円」。順調な推移を示している。

　前期ベースでみると、こんな感じになる。

　『クリエイティブ分野（日本）』: 前記の主軸分野が含まれる。「映像・TV」では企画制作したTV番組:家事ヤロウ！！！（TV朝日系列）が22年3月末で、フォロワー数が公式アカウントで249万人となった。

　「動画配信サービス」では、企業やTV番組のYoutuberチャンネルの運用受託が増加。前期末でユーチューブクリエイターによる総チャンネル数は、300超。

　「出版」分野では発掘した漫画家や作家の作品を収益化する漫画KABOから、各電子書店で1位を獲得した『間違いで求婚された女は一年後離婚される』などのベストセラーを生んだ。結果、前年比113.1％増収（294億4400万円）/139.6％営業増益（24億7800万円）となった。

　『医療分野』: 医師の紹介事業を中心に、「研修医・医学生向けの研修病院合同説明会」「オンライン開催」「臨床研修情報サイト」「若手医師向け情報サイト」の展開で112.3％増収（44億600万円）/120.1％の営業利益（8億6900万円）。

　『会計・法曹分野』: 会計士・弁護士を対象としたエージェンシー事業を軸に、前年比106.2％の売り上げ（21億900万円）/118.3％の営業利益（1億1800万円）。

　他にも複数のセグメントがある。かつその領域を拡充する動きを止めていない。「料理人開業支援」の新会社を設立。今秋本社ビルに開設の飲食店を運営しつつ人材を育成するという。

　本稿作成中の時価は2000円台入口。昨年3月安値:1624円から9月高値:2639円に上昇後の調整場面。IFIS目標平均株価は3100円と上値余地を示している。（記事：千葉明・記事一覧を見る）