ANA、東工大と「歩行支援ロボット」の実証実験 新たな旅需要創出へ

2021年12月5日 07:31

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 ANAホールディングス(東京都港区)は、東京工業大学と連携し、歩行支援ロボットを使った旅の実証実験を行う。歩行に困難があり移動や旅行を躊躇していたユーザーに向け、新たな旅行スタイルの提案を行う。

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 東工大が研究し、同大発のベンチャー企業WALK-MATE LABが製品化した歩行支援ロボットを用いる。第1弾は、12月13日に香川県善通寺市で実施する。一般の参加者8人が装着し、四国八十八カ所の一部、上り坂500mを歩行してもらう。

 実証実験で用いる歩行支援ロボット「WALK-MATE」は、手足の動作をサポートするだけでなく、自力での歩行をリズムで支援するのが特徴。2018年から医療機関での歩行トレーニングにも使用されており、自然で活発な歩行に改善する。東工大の三宅研究室で研究されてきたもので、保険診療の対象となっている。

 介護施設や医療機関だけでなく、高齢化社会の日本での幅広い利用につなげたいと考えていたところ、ANAと思惑が一致し実証実験を行うことにした。ANAは、歩行に困難があるシニア層などの移動を支援することで、新たな旅行の需要を創出したいと考えている。

 実証実験では、ANAは総合プロデュースやプロジェクトマネジメントの役割を担う。参加者募集や当日の運営、アンケートの実施なども行う。東工大側は、アンケートや実験データの分析を行い、今後のさらなる改善につなげる。ANAでは今後、継続的な実証実験の企画やモニターツアーの実施、ツアーの販売などを計画していると言う。

 日本人の平均寿命は、厚生労働省の調べによると男性が81歳で女性が87歳。過去最高を更新しており長寿命化している。日常生活に制限ない期間である「健康寿命」も年々伸びているものの、男性は72歳で女性も74歳。寿命と10歳前後の乖離があるのが現状だ。

 歩行支援ロボットのようなツールで、シニアがアクティブに活動できる期間が伸びれば、移動や旅行の需要が開拓できる。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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