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「EV」(1) テスラ黒字化で注目を集める日本企業はどこ
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1月28日の共同通信が、『米テスラ、初の年間黒字 750億円、 EV好調』と題するニューヨーク発の記事を伝えた。電気自動車(EV)開発を実質上牽引してきたテスラ(2020年12月期)の黒字化の意義は大きい。
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テスラは10年の上場後昨年まで、最終赤字を継続していた。黒字化に際し、何かと物議を醸しだす言でも知られるイーロン・マスクCEOは「今後数年間は(世界の)販売台数で平均50%の成長を続ける」と、風呂敷を拡げたとも伝えられた。
EV化の流れは緒論あるが、着実に太くなっている。ノルウェーは25年までにガソリン・ディーゼル車の販売禁止。英国も30年までに同様の措置を執る計画を公にした。そして周知の通り、世界の自動車販売市場の3割近くを占める中国が、「2035年をめどに、新車販売の50%以上をEVなど新エネルギー車(EV+プラグインハイブリッド車+燃料電池車)とする」方針を明らかにした。トヨタも25年までに米国での新車販売の4割を電動車・・・年内にEV2車種発表とした。
免許証返納の身ながら「EV車の時代、目前。これも商売」と言い聞かせ、兜町を歩いた。「EV車時代で存在感がクローズアップされる国内企業はどこか」を、複数のアナリストに意見を求めるためだ。
ホンダが昨年同社初の量産EV「ホンダe」を発売した。だが「1台売ると80万円から100万円ほどの赤字が出る」。トヨタも10月に高級車レクサスの市販EVを国内に初投入した。そんな極々限られた知見を頭ぶりに取材を繰り返した。
「だけにテスラの黒字化はEV開発競争に拍車をかける。株式市場にとってはこの上ないサプライズだ」と、歩いた先のアナリストは口を揃えた。また「モーター」「インバータ(電池からモーターに流れる電流を、直流から交流に変換する装置)」「電池」が、「EVの3種の神器」だと知った。
そこで今回から3回にわたり、「EV時代に商機を掴む公算が大きい国内の企業群」を記す。アナリストの多くが取材の趣旨を伝えると、「まずは電池だろう」と応じた。ガソリン車なら100万円余から購入できる。対してEV車は300万円台。その差は「電池価格にある」というのだ。
テスラ自体も販売価格を「より安く」と取り組んでいる。昨年9月に、「23年頃に、約260万円のEVを投入する計画」と発表した。その背景が独自開発の新型電池:4680なる代物。「従来の電池より価格が56%下がり、走行距離は54%伸びる」という。
アナリストは「菅政権は、50年までに温室効果ガス実質ゼロを目玉政策にしている。いま、EV推進企業に数千億円の補助金を検討している」ともした。
「(2)」では、3種の神器の1番手として「電池関連メーカー」を掘り起こしてみた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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