「脱ハンコ」の流れは、インフォマートの収益拡充の追い風となるか!?

2020年12月30日 08:41

印刷

 インフォマートは、企業間電子商取引:BtoBのプラットフォーム(PF)を提供している。順を追って記すがそんな同社に、いわゆるDXや脱ハンコ化の加速が「フォローの風」になるとする見方が強まっている。

【こちらも】レノバの株価動向が示す、洋上風力発電本格化の号砲

 同社を牽引してきたBtoB-PF事業は、「買い手」(ホテルや外食チェーン)と売り手(食品生産者や食品卸業者)をつなぐ。大きく2つに分けられる。

★BtoB-PF受発注: 買い手がPC・スマホを介し売り手に対し、原則365日24時間食品発注ができる。履歴の保存やレシピ情報の一括管理、原価率の算出などに活用ができる。利用企業数は約4万社、年間流通金額は約1.8兆円。アナリストは「単純計算だが、(日本の)外食産業の食材の3割近くがインフォマートのPF上で売買されていることになる」とする。

★BtoB-PF規格書: 1万社近くが活用。農水省が定める標準商品規格書に沿い、130万食品以上の成分・アレルギー・原産地などを買い手と売り手は「食品検索」「規格書共有」「取引先のマッチング」が可能になる。

 前12月期実績で見ると、このセクターだけで総売上高の8割が占められている。

 また売上高の2割近くを占めたのが、飲食業以外も対象にした★「BtoB-PF請求書」事業: 請求書を電子化した事業。請求書が電子保管され紛失リスクを回避できる。振り込み状況の確認や未入金の督促なども一元管理できるため「請求書」にかかわる業務時間が最大9割削減できると言う。

 そうした主力事業の堅調で前期は「11.8%の増収、4.9%の営業増益、9.2%の最終増益」。だが今期は、コロナウイルス禍に晒された。買い手のホテル・飲食店の発注が激減、7月末に通期が下方修正された。1.5%の増収も「54.0%の営業減益、56.1%の最終減益」予想。

 が、先のアナリストは言う。「コロナ禍の収束動向は21年12月期を左右することは言うまでもないが、インフォマートを中期的に見る場合見逃せない事業がある。『BtoB-PF契約書』だ」。

 周知の通り、働き方改革(テレワーク)の進捗や行政業務の簡素化(脱ハンコ)が背景にある。一口で言えば、電子書類の需要増の流れである。書類にハンコを押す必要が無くなれば、テレワークでの稟議書決済も容易になる。(行政向け主体に)手続きの簡素化が実現する。インフォマートでは「問い合わせは昨年の6倍水準になっている」とする。

 中期目標として「売上高100億円(今期修正後計画比15%増)、営業利益率30%超(同13%)」を掲げているが果たして「脱ハンコ」の流れは貢献するのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事