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パナソニックホームズ、業界初のサブリースによる障害者福祉施設建設
パナソニック ホームズサブリース「ケアリンクシステム」のスキームイメージ。(画像: パナソニック ホームズの発表資料より)[写真拡大]
パナソニックホームズ。改めるまでもなく、故松下幸之助翁が興した松下電器産業(現パナソニック)と、その社内カンパニーとして立ち上げられた松下電工(現パナソニック電工)の共同出資で、1963年に立ち上げられたナショナル住宅建材がその源流。
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そんなサラブレッド企業だが、ビジネス力も相当のもの。これまでにも土地オーナーと介護事業者をつなぐサブリースシステム「ケアリンクシステム」を展開してきた。
具体的にはオーナーが建築した建物を子会社のパナソニックホームズ不動産が一括して借り上げ、介護事業者に転貸(サブリース)する枠組みで高齢者施設の建設を図ってきた。今年3月末で高齢者用・医療用施設の請負件数は1855棟に及んでいる。ちなみに自社でもサービス付き高齢者向け住宅などの施設運営にも携わっている。
今回、「ケアリンクシステム」を障害者用の福祉施設建設にも併用すると発表した。この発表に接し、「おぬしも、やるのう」とパナソニックグループの商売力を痛感させられた。そう感じた主な背景は以下の2点。
★内閣府の「障害者白書」によると、2018年度で心身に障害を持つ人の数は約936万6000人。06年度から約280万7000人増えている。白書では「増加傾向が続こう」としている。その最大の要因としては、身体障害者の約7割が65歳以上の高齢者で占められている点。また斯界に詳しい筋は、「治療薬の開発が残念ながら遅々としている、認知症患者の増加に求められる。認知症者は精神障害者に入る」と説明する。
★パナソニックホームズでは、今回の「ケアリンクシステム」の障害者用福祉施設への建設併用に際し、ソーシャルインクルー(東京都)/恵(名古屋市)と業務提携している。後者は多角的な障害者ケア事業(デイサービスを含む)を展開。前者は認知症者向けグループホームを展開している。
前記の通りパナソニックホームズでは、介護施設建設で実績を持つ。その中には居宅介護施設:デイサービスやグループホームも含まれる。それらを含めて20年度に年間20棟の受注を目指すとしている。配信されたリリースにもあるように「サブリース方式による障害者用福祉施設建設は業界初」。
だが先の斯界通は、「グループホームやデイサービス施設でキャリアを積んでいる点を勘案すると、親和性の高い隣の庭に足を踏み入れる感が強い」とする。
施策自体は、高く評価したい。「商売上手」などと口にしてはならないであろう・・・。93歳であの世に召された義母の最後の住処はグループホームだった。専門スタッフと穏やかな日々を送っていた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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