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株価妙味も感じさせる三和HDが教えてくれること
3月に発売された耐火間仕切パネルシリーズ「マジカル BOX」(画像: 三和シヤッター工業の発表資料より)[写真拡大]
三和シヤッターなど内外29社を傘下に有する三和ホールディングス(三和HD)の本校作成時の時価は、1100円前後。昨年来高値1367円(2019年4月15日)から20%近く下値にある。かつアイフィスジャパンが発信しているIFIS目標平均株価1540円に対しては30%近い乖離がある。ちなみに1540円を算出するに当たり関わったアナリストは5名。「やや強気1人+強気4人」という状況。
詳細は省くが、確かに収益動向に限ってみても、着々と売上利益を積み重ねている。前3月期の「6.3%増収、11.5%営業増益、2円増配32円配」に対し今期も、「3.7%の増収(4250億円)、7.6%の営業増益(340億円)、2円増配34円配」計画。
実は三和HDを調べてみようと思った契機は、過日の(参加者も幸か不幸かまばらな)株式講演会だった。質疑応答の段になり「三和HDなんかどう見ているか」という唐突な?質問に晒された。「現時点ではお答えできません」と逃げるのもしゃくで、シラッとこう答えて交わした。
「今期、下方修正していない。連続増収増益。昨年来高値、ないしはIFIS目標平均株価から2-3割方下値を余儀なくされている。配当性向30%超の条件を満たしているなら投資対象として検討に値する」。
調べ直していま胸をなでおろしているが、質問者に三和HDはなんとも優れものの企業であることを教えてもらった。「シャッター」や「ドア」で知られるが、以下のような事実を改めて知らされる結果となった。
★国内では鋼製シャッターや産業用ドアなど6分野で、米国でも2分野で市場シェアトップに立っている。
★だがシャッターやドアの国内市場は、既に50%余のシェアを有しており長期的には従来のような成長は見込めない。第3の収益柱育成に注力している。「間仕切り製品」。今期の売上高を142億円と想定しているが、COOの髙山靖司社長は「間仕切り市場規模は2000億円。当社のシェアは10%以下。伸長の余地がある。シャッター・ドアで開拓してきた顧客層を中心に積極的な営業を仕掛けている。幸いゼネコンへの営業力を生かしトイレブースではシェア2位まできた」。
★強みは3800人を超える、施工技術者体制。間仕切り侵攻にも武器となる。シャッター・ドアの深耕で培ったM&A戦略の手立ても武器。米国オーバーヘッドドア(1996年)や2003年の欧州ノボフェルムグループの買収に象徴的。19年9月にLIXILからメンテナンスに強みを持つ鈴木シャッターの買収なども好例。
★防火シャッターやドアなど防火設備の定期点検の義務付けもフォローの風。また「豪雨」をキッカケに関心が高まっている防水シャッターなど「防水用品」で2割のシェアを持っているのも妙味大。
ヤフーでもグーグルでも投資家の株価検索の頻度が高い銘柄の現状は、調べておいて決して損ではないと実感した。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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