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市原市の公園にプリウスが飛び込んだ事故 HV・EVなど電動車特有の事故か?
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大津市「レイモンド淡海保育園」の園児が犠牲になってしまった事故が記憶に新しいが、千葉県市原市で、トヨタ・プリウスが障害物を乗り越え園児が遊ぶ公園に飛び込んだ。道路の反対側の駐車場で料金精算中に、急発進したようだ。アクセルとブレーキの踏み合間違いの事故に見えるが、もう一つ、注目しなければならない事実がある。それは事故を起こした車がトヨタ・プリウス、つまり電動車であることだ。
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車があの公園に飛び込むには、反対車線から道路を横切り、さらに歩道との段差を超え歩道わきのポールを倒し、簡素とはいえ柵をなぎ倒して砂場にまで達することとなる。特に、歩道と車道の段差は20cmほどもあるように見受ける。駐車場にある車止めなどよりかなり高い障壁になる。さらには発進して間もない低速域での段差だ。かなりの力で乗り越えなければならない。
最近の自動車はタイヤの径が大きくなって、段差を乗り越えやすくなっているとはいえ、低いスピードでは難しいのではないかと思える状態だ。トヨタ・プリウスであると16~17インチと思われる。どうしてエンストしないで段差を乗り越えられたのか?と考えてしまう。
トヨタ・プリウスは実用的な乗りやすい性能を表しているのだが、つまり、それが「アダ」となってしまったようだ。それは、モーター駆動の低速トルクの強さと、FFであること。モーターはエンジンと違い、駆動して1回転目から最大駆動力を示す特徴がある。トヨタ・プリウスなどHV車の多くは、発進時にモーター駆動であることが多い。これが、今回の事故のような結果を生んでしまう原因の1つと考えられ、トルクが強いために低速でも20センチもある段差を軽々超えてしまうのだ。
この特性は、モーターがガソリンエンジンの低速トルクの弱さを補い、平坦路面でもラフロードでも、発進時や低速走行においての自由度が大きく乗りやすいこととなる。これは、ガソリン車にはない特性だ。スバル・フォレスターなどのマイルドHVであっても、利用価値がある理由であり、燃費だけではないのだ。
特定の車種に限らず、HV・EVなど電動車の特徴を普段からよく理解しておきたいものだ。HV・EVなど電動車の特性だからと言って避ける必要はない。理解した上でドライバーは運転に注意することと、アクセルとブレーキを間違えたときの緊急ブレーキシステムの整備が社会的には急がれるのだ。またFFは、前輪にかかる力の方向からも、障害物を乗り越える性能は高いのだが、客室が広く取れるなどのメリットが大きいのでこれからも増えていくだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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