コマツ、IoT技術によりグローバル展開を推進

2017年12月23日 10:54

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 小松製作所(コマツ)は13日、建設現場におけるAIの導入でNVIDIA社との協業を発表した。

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 コマツは画像処理にすぐれた同社のGPUをドローンと組み合わせて建設現場の3D画像を収集し、地形データを作成・可視化する。さらにIoT企業のOPTIM社の技術により現場のさまざまな情報をつなぎ現場の一体管理を行う「スマートコンストラクション」事業を拡大する。

 コマツは、竹内鉱業(銅山)を経営していた竹内明太郎(総理大臣吉田茂の実兄)が、鉱山以外の地場工業として1917年に小松鉄工所を興し、1921年に分離独立し小松製作所を創業した。

 「良品に国境なし、工業こそ富国の基」という理念の下、竹内は大隈重信の創立した早稲田大学の理工学科の新設に尽力し、日産自動車の前身となる日本初の国産自動車の完成にも協力した。

 1928年、昭和恐慌により竹内鉱業が倒産し竹内は無一文になったが、その功績は現在の日本の繁栄に大きく貢献している。

 IoT技術によりグローバル展開するコマツの動きを見てみよう。

■前期(2017年3月期)実績

 前期売上高は1兆8,029億円(前年比97%)、営業利益は1,740億円(同87%)であった。

 営業利益254億円減少の主な要因としては、海外比率78%の中、急激な円高(1ドル121円->109円、1ユーロ132円->119円、1元19円->16円)による減益300億円、物量差他による増益177億円、販売金融を扱うリテールファイナンス部門で中国向けの引当金積み増しによる減益88億円、期初にプレハブのコマツハウスを譲渡した減益69億円などである。

■今期(2018年3月期)見通し

 売上高1兆1,589億円(同146%)、営業利益1,126億円(同176%)と好調な上期(4-9月)実績を受けて、今期見通しは、売上高が1,930億円上方修正の2兆3,280億円(同129%)、営業利益は600億円上方修正の2,160億円(同124%)を計画している。

 売上高前年比5,250億円増収の内訳としては、4月に買収・設立した大型鉱山機械会社KMCの売上高2,560億円と中国・インドネシアの戦略市場の好調などにより2,690億円の増販を見込んでいる。

 営業利益同419億円増益の主な要因としては、売上高増収に伴う物量差755億円、中国向け引当金積み増しの反動減66億円の増益に対し、KMCで200億円の減益を見込んでいる。

 KMCの減益は、当期営業利益見込み260億円に対し、買収原価配分のためのPPA処理などM&Aによる初期費用460億円計上による一時的なものである。

■中期計画による基本戦略の推進

 来期までの3カ年計画で次の基本戦略を推進する。

 1.イノベーションによる成長戦略

 情報技術を活用した次世代建設・鉱山機械の開発と建設現場へのスマートコンストラクション導入を推進する。

 2.既存事業の成長戦略

 KMCによる大型鉱山機械事業の全社展開とM&Aを活用した建機・産業機械・林業機械の拡大を目指す。

 3.土台強化のための構造改革

 機械稼働管理システムによるコスト管理・オペレーション管理・アフターサービスを推進する。


 高齢化、熟練工の減少によって深刻な労働力不足に直面する日本の建設業界に、スマートコンストラクション事業を導入し、さらに世界への展開も視野に入れているコマツの動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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