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任天堂株なぜ下落? Switch2好調でも止まらぬチップ高の逆風

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●任天堂株が年初来安値更新
世界的ゲームメーカーの任天堂の株価が連日下落し、年初来安値を更新している(5月14日現在)。
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昨年6月に発売されたNintendo Switch2の売上は好調だったが、AIデータセンターの需要急増によるチップフレーション(半導体メモリの価格上昇)により、収益性悪化への懸念が大きい。
日経平均が史上最高値を更新する中、反比例するように任天堂株は下落している。任天堂の苦境は続くのだろうか?
●足かせになっているチップフレーション
Nintendo Switch2は、初代Switchのソフトがそのまま遊べる後方互換性が強みで、買い替えへのハードルが低い。
処理能力も大幅に改善しており、DLSS(高画質化技術)などの採用で、テレビモードでは4Kに近い映像体験が可能になった。
昨年の発売から300日で売上1986万台を記録し、初代Switchの初年度の1500万台を大きく上回る。売上の77%が海外で、北米や欧州市場での存在感が強い。
処理能力が高いからこそ、データセンターに必要なDRAMの奪い合いとなっている。NVIDIA設計でサムスン受託生産のカスタムチップを使用しているが、AI用チップや車載チップが優先されてしまっている。
任天堂は値上げで対応しようとしているが、約1000億円のコスト増を見込んでおり、売上高利益率の低下は避けられないと、8日発表の決算でも明らかになっている。
●任天堂株下落の原因はチップフレーション以外にも?
任天堂株の下落の原因は、チップフレーション以外にもありそうだ。
2027年3月期のNintendo Switch2の販売予想は1650万台で、前期実績から約17%の減少を見込んでいる。
日本国内では1万円、米国では50ドル(約8000円)の値上げを発表しており、値上げによる需要の減退も危惧される。
ソフトについても、この1年でポケモン30周年を記念して発売された独占作品「ぽこ あ ポケモン」やマリオカートなどの主要コンテンツを投入したことから、2年目以降にこれらを超えるような大ヒット作が出るのかという不安がある。
さらに8日に発表された任天堂の27年3月期の決算予想は、売上高が前期比11.4%減、最終利益が同26.9%減と、保守的過ぎるとの批判もある。
チップフレーションは終わりが見えず、任天堂の苦境は続きそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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