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中国の輸出規制で気になるタングステンの行方
●中国の輸出規制でタングステンが高騰!日本にも大打撃か!?
レアメタルの一種であるタングステンの主要生産国である中国が2月、米国のトランプ関税に対応して、輸出制限と割当量削減を実施した。その影響で、タングステンの価格が高騰し、2013年以来の高値となっている。
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日本に対しても、日中関係の悪化を理由として1月に対日輸出規制を強化し、2月には日本の防衛・宇宙関連企業への提供を事実上、禁止・制限する措置を取っている。
タングステンは世界供給の8割を中国が握っており、長期的なコスト上昇の原因となる可能性が高く、レアアースとともに対策が急がれる。
●タングステンとは?
タングステン(元素記号:W)は炭素と結合させて、ダイヤモンドに次ぐ堅い素材になる。融点は3422度で、太陽の表面温度の半分以上に耐えることができ、すべての金属の中で最も熱に強い。
その特性を生かし、切削工具のドリルや徹甲弾の芯材などに使われている。電気を通しやすいため、半導体チップ内部の配線材料にも使われている。
世界中に工具を供給している世界屈指の超硬工具大国の日本にとって、タングステンの高騰と輸出規制は死活問題になりかねない。
●急がれる供給源確保とリサイクル
中国以外の産出国では、2位がベトナムで、それ以降はロシア・ルワンダ・スペインと続く。日本はオーストラリアやカナダの鉱山に投資し、調達先の多角化を目論んでいる。
供給先の確保と並行して進めるのが、リサイクルを活用した都市鉱山である。
三菱マテリアルや住友電工は使用済みの超硬工具を回収し、タングステン粉末の原料に戻す技術を確立。回収率は、80%~100%への引き上げを目指している。
サーメットやセラミックスなどでの代行や、鉄やニッケルをベースにした特殊な合金の研究も進めており、タングステンを使わない代替素材の開発も急がれる。
いずれにしても一朝一夕には難しいかもしれないが、レアアース同様に脱中国依存を目指し、ピンチをチャンスに変えられる好機なのかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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