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英国政治懸念で、ポンド下落 今後の行方は?
●英国首相が辞任危機で長期債・ポンド下落
英国スターマー首相が、マンデルソン上院議員の駐米大使任命問題により辞任危機に直面し、英国の金融市場には大きな影響が出ている。
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5日の英国金融市場では、ポンドは一時0.6%下落し、英10年債利回りも4.59%、30年債は5.38%にまで上昇した。
2年債、10年債のスプレッドはEU離脱問題が深刻化した2018年以来の大きさに拡大している。
辞任圧力が強まる中、スターマー首相は「5年の任期付託されており、その使命を果たしていく」と続投表明したことで、一時落ち着いたが、ポンド安・長期債の利回りは高止まりしている。
英国の危機は続き、世界経済への波及はあるのだろうか?
●任命責任を問われているマンデルソン問題
今回問題は、性犯罪問題で有罪判決を受けた後に自殺した米国の富豪ジェフリー・エスプタイン氏と親交があったとされるマンデルソン氏を、駐米大使に任命したことが発端である。
エスプタイン氏との親交を知りながら任命したことで、スターマー首相の責任が問われている。
スターマー首相の右腕だったマクスウィーニー首相補佐官も、マンデルソン氏の任命に問題ないと助言した責任を取り辞任。アラン広報部長も、首相を守り切れなかった責任を取り辞任するなど、次々と側近が去っている。
当のマンデルソン氏は議員引退を表明したが、エプスタイン氏に政府の機密情報を流した疑いで、ロンドン警視庁の捜査が始まっている。
エプスタイン文書は英国だけでなく、欧州諸国で深刻な影響を与えており、ノルウェー、スウェーデン、スロバキアなどでは高官や外交官が辞任するなど、広がりを見せている。
●政治的不安だけでなく経済も・・
英国は政治の問題だけでなく、経済も低調なこともポンドや債券にも悪影響を与える可能性が高い。
2025年第4四半期の実質GDPは横ばいで、失業率も5.1%まで上昇している。
BOE(イングランド銀行)の利下げ観測も高まっており、2月は据え置かれたが、3月は利下げに踏み切るのではないかと見られている。
インフレも鎮静化が見られており、利下げへの障壁は無くなりつつある。景気回復はユーロ圏に比べると、出遅れ感が目立つ。
資源の高騰やサイバー攻撃によるビジネス投資の減少が深刻で、政治不安にポンド安・債券安が重く乗りかかり、悪化に拍車がかかるリスクもあるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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