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2026年の株式展望 電子部品関連企業

電子部品関連企業 2026年の株式展望[写真拡大]
■AIサーバー向け電子部品需要がピークに向かう村田製作所
村田製作所(6981)の2026年3月期通期業績見通しは、売上収益が0.2%減の1兆7400億円、営業利益が0.1%増の2800億円、税引前利益が4.7%減の2900億円、当期利益が5.9%減の2200億円。減収、最終減益だが、各項目を上方修正した。
AIサーバー関連、スマホ、自動車向けの電子部品の需要増、トランプ関税による景気後退懸念が和らいだことで減収幅が圧縮し、利益項目も操業度の向上、為替の円安で減益幅が圧縮。営業利益は減益から増益に転じた。
中期経営計画では2027年度までに売上高2兆円以上、営業利益率18%以上という目標を掲げている。2026年の業績を左右する焦点はやはり成長市場であるデータセンターで、積層セラミックコンデンサー、電源モジュールなどAI(人工知能)サーバー向けの電子部品の供給がどれぐらい伸びるかにかかっている。
中島規巨社長は「好調なデータセンター分野に、積層セラミックコンデンサーなどの部品群がヒットした。市場が想定を上回る勢いで成長している」と述べており、その動きは2026年も2027年も息長く続き、次の業績のピークは2030年になると想定している。それに対応するために島根県出雲市で電子部品の新工場を建設するなど、設備投資が旺盛になっている。
特に北米市場向けは、「日米間の投資に関する共同ファクトシート」で、村田製作所はアメリカのAIインフラへの電子部品の提供により最大150億ドル(約2兆3000億円)貢献すると述べている。
■TDKはデータセンター向けHDDが非常に有望
TDK(6762)の2026年3月期通期業績見通しは、売上高が7.5%増の2兆3700億円、 営業利益が9.3%増の2450億円、税引前利益が5.1%増の2500億円、当期利益が7.7%増の1800億円で、各項目とも上方修正している。
トランプ関税の影響で自動車市場、特にEV向けの需要は低調に推移したが、スマホやHDD向けなどICT市場は堅調で、小型二次電池、センサの販売が拡大している。HDDは特に成長市場であるデータセンター向けの需要が伸びている。
2026年は2027年3月期までの中期経営計画の最終年度に入るが、やはりデータセンター向け需要が業績を大きく押し上げるとみられ、設備投資の中心もEV向けからこちらにシフトしそうだ。磁気応用製品セグメントの「ニアラインHDD」「HDDヘッド」「HDD用サスペンション」以外に、受動部品セグメントの電源ユニット用「アルミ電解コンデンサ」のようなAIエコシステムでも、需要が大きく伸びると予想できる。
■ロームの新中計は設備投資を抑制し採算性を重視する
ローム(6963)の2026年3月期通期業績見通しは、売上高が2.6%増の4600億円、営業損益が50億円に黒字転化、経常損益が110億円に黒字転化、当期純損益が90億円に黒字転化する。
自動車市場ではSiCパワー半導体がEV向け需要で成長する一方、それ以外は停滞。FA向けは依然低調。民生機器市場ではアミューズメント向けも白物家電向けも減速し、コンピュータ&ストレージ市場ではパソコン、サーバー、周辺機器向けが持ち直しても決済端末向けや事務機向けは調整局面で、売上は全体的にさえなかった。
それに加えて電子部品の原材料にもなる金の価格が歴史的な高騰をみせて損益に大きな打撃を与えたが、為替の円安がプラスに作用して通期見通しを上方修正している。
ロームは2029年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を策定・発表した。設備投資をトータル1500億円規模と前中計の半分以下に抑え、採算性を優先して営業利益率20%以上を目指す。それでもAI(人工知能)サーバー向けのパワー半導体を新たな成長領域と位置づけており、アメリカのAI関連半導体メーカー、エヌビディアと協業して新製品の供給を始めている。
■アルプスアルパインは構造改革から成長再加速の年へ
アルプスアルパイン(6770)の2026年3月期通期業績見通しは、売上高が1.6%減の9750億円、営業利益が6.2%減の320億円、経常利益が17.9%増の360億円、当期純利益が55.1%減の170億円で、上方修正は行ったものの減収、最終大幅減益となる見込み。スマホ向け部品、ゲーム機向け部品は計画を上回り、トランプ関税の影響も軽微だが、北米、中国での自動車生産の落ち込みで車載向け製品の販売が停滞していた。
2026年は「PBR1倍以上」「ROE10%以上」を最終目標とする「中期経営計画2027」の中間年度であり、不採算事業の整理やコスト削減などで足場を固める「構造改革」のフェーズから、「成長再加速」のフェーズへの転換点になると位置づけられる。主力の車載向けモビリティ事業やコンポーネント事業では利益率の高い高付加価値製品へのシフトを進めており、2026年度には約200億円を投じて国内生産拠点の自動化・省人化によって生産効率を底上げする計画。全体として収益性をどれだけ改善できるかが焦点になる。配当政策では株主資本配当率(DOE)3%という目標を掲げ、実際に自己株式の消却を進めており、株主に好印象を与えている。(編集担当:寺尾淳)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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