ソフトバンクG、AI基盤強化へ米デジタルインフラ大手を買収

2026年1月2日 14:13

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 ソフトバンクグループは、米国のデジタルインフラ投資会社デジタルブリッジを約40億ドルで買収すると発表した。人工知能(AI)向けデータセンターや通信インフラへの投資を強化する狙いで、同社のAI戦略を支える重要な一手となる。市場では、AI関連投資の本格化を背景に、ソフトバンクG株の中長期的な成長期待が改めて意識されている。

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 今回買収するデジタルブリッジは、データセンターや通信塔、光ファイバー網など、デジタルインフラ分野に特化した運用会社で、世界各地で事業を展開している。運用資産は約1,000億ドル規模に上り、AIやクラウド向けのインフラ整備で実績を持つ。ソフトバンクGは同社を完全子会社化し、AI関連事業との連携を強化する方針だ。

 ソフトバンクGが今回の買収に踏み切った背景には、AI開発の重心が「ソフトウエア」から「インフラ」へと移りつつある現状がある。生成AIの高度化に伴い、膨大な計算能力を支えるデータセンターや電力、通信網の重要性が急速に高まっている。孫正義社長はかねて、AI時代には計算資源を制する企業が競争力を持つと強調しており、今回の買収はその戦略を具現化した形といえる。

 ソフトバンクGはこれまで、AI関連企業への投資を積極的に進めてきた。米オープンAIとの協業や半導体関連分野への関与などがその代表例だが、今回のデジタルブリッジ買収により、AIを動かすための「物理的基盤」までを自社グループ内に取り込む構図が鮮明になった。これにより、AI開発から運用までを一貫して支える体制の構築を目指す。

 市場では、今回の買収を「AIインフラ戦略への本格参入」と受け止める声が多い。データセンター需要は今後も拡大が見込まれており、生成AIの普及が進むほど安定した収益源となる可能性が高い。一方で、巨額投資に伴う財務負担や、金利動向による調達コストの上昇といったリスクも指摘されている。

 それでも、ソフトバンクGが描く成長シナリオは明確だ。従来の投資会社としての枠組みを超え、AI時代の中核インフラを担う存在へと進化する狙いがある。市場関係者の間では、短期的な株価変動よりも、中長期での企業価値向上に注目すべきとの見方が広がっている。

 AI投資競争が世界的に激化する中、ソフトバンクGの一手は、日本企業による大型インフラ投資としても注目度が高い。今回の買収が、同社のAI戦略をどこまで加速させるのか。今後の事業展開と収益化の行方が、投資家の関心を集めそうだ。(記事:Osaka Okay・記事一覧を見る

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