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国産AI計画に2兆円投資するソフトバンク株は、買いか見送りか

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●高市内閣による官民連携のAI投資計画が始動!
高市早苗内閣が成長戦略として挙げている、官民連携のAI(人工知能)投資計画が始動する。AI投資で先行する米国と中国に反転攻勢をかけるのが狙いだ。
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そのAI投資計画で民間の核になるのが、通信大手のソフトバンク(9434 東証プライム)である。経済産業省が今後行う公募に応じる方向で検討しているという。
読売新聞の報道では、北海道苫小牧市と大阪府堺市に建設予定のデータセンターにソフトバンクが2兆円(報道ベース)という巨額の投資を行う予定だが、市場はどのように反応したのか確認する。
●ソフトバンクが核となるAI投資計画の内容とは
官民連携の官の部分は、経済産業省が5年間で1兆円規模の支援を行うとしている。具体的にはソフトバンクを中心とした日本企業十数社で設立する新会社に国が支援を行い、ロボットや機械を制御するための「フィジカルAI」に欠かせない基盤モデルを国内で構築する計画だという。
計画ではまずは、Googleなど世界の主要AIが達成している「1兆円パラメーター」規模の基盤モデルの開発を目指すとしている。
●2兆円の巨額投資がもたらすメリットとリスク
計画の中でソフトバンクは、2026年からの6年間でデータセンターに2兆円を投資する計画を持っている。単純計算で年間約3,300億円の投資となるが、同社にどのようなメリットがあるのだろうか。
先に述べたフィジカルAIの市場は、総務省の予測で2034年まで順調に拡大する見込みが示されている。投資規模に見合う利用料が見込めるため投資に踏み切ったというのが、実情のようだ。
ただし、リスクもある。GoogleなどAIの巨人はすでに確固たる地位を確立しており、日本のAI開発が思ったほどの成果が上がらなかった場合、巨大データセンターのランニングコストが重荷になる可能性もある。
●ソフトバンク株に対する市場の反応は?
AI投資計画の中心になるソフトバンクと、親会社ソフトバンクグループ(9984 東証プライム)の株式に対する市場の反応を確認しておこう。
今回のマスコミ報道が発表された直後の22日の相場で、通信のソフトバンク株終値は213.3円と前日(19日)比で3.5円(-1.61%)下落している。今回の報道はややネガティブに捉えられたようだ。
一方、投資会社のソフトバンクグループの株価は報道がポジティブ視されたのか、終値1万7,815円と前日比700円(+4.09%)の大幅高となった。
いま両銘柄に投資するにはどのようなスタンスで臨んだらよいのだろうか。
通信のソフトバンクは、携帯電話事業とPayPayを中心とした金融事業の2本柱がビジネスモデルのため、業績が大きくブレることは考えにくい。年初来高値を年初来安値で割った株価変動倍率は1.3倍と極めて安定している。
4.03%(2025年12月22日終値換算)という高配当利回りが下支えするため、現在の株価水準で買うなら安定運用が見込める銘柄といえそうだ。
逆にソフトバンクグループは、投資先の業績動向によって株価が大きく変動する相場が続いている。株価変動倍率は4.83倍と超ハイリスクハイリターン銘柄だ。
今回の計画の成果が実際に発現するには数年を要する可能性が高く、本材料だけで飛びついて買うにはリスクが大きいといえよう。新規投資には慎重な判断が必要だ。(記事:丸山優太郎・記事一覧を見る)
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