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医療・介護ベッド&関連製品開発、レンタルが特色:フランスベッドの順調な中計
7月27日にオープンした「フランスベッド さいたまショールーム」 (画像: フランスベッドホールディングスの発表資料より)[写真拡大]
フランスベッドホールディングス(7840、東証プライム。以下、フランスベッド)。8月1日に、『ポジショニングクッション・体位変換器「もふぴた」7種類を発売』というニュースリリースを発信した。
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褥瘡(じょくそう)。寝たきり状態や車椅子生活で起こる皮膚炎。皮膚の赤み・ただれなどを発症。ひどくなると潰瘍や細菌感染にもつながる。
褥瘡状態を防ぐ・和らげることを目的とするのが、表題のポジショニングクッション。今回、「日本褥瘡学会 在宅ケア推進協議会理事」の湘南医療大学:田中秀子教授による全面監修で商品の発売に至ったという。
フランスベッドはいま、医療用(介護用)ベッドを軸に医療・介護関連製品の開発に注力している。こと医療用ベッドでは世界に冠たるパラマウントベッド、斯界に特化しシェアを伸ばしているプラッツが存在している。対してフランスベッドは医療用ベッド/関連商品の開発、そして医療関連商品のレンタルで存在感を高める戦略を執っている。
1949年に前身(スクーター用シートや三輪・四輪車両シート製販)が設立され、55年に分割ベッド(昼はソファー、夜はベッド)をヒットさせた。83年には、療養ベッドのレンタルを開始。2017年に介護用ベッドに本格進出している。
目下、介護用ベッドの主軸は「マルポジベッド」。「0~75度まで調節できる背上げ機能/誤嚥や胃液戻りの管理に有効」「背上げ・足上げで長座位が可能/TV観賞・読書が楽」「背上げと連動し両サイトに床板が体を包み転落等を防止」といった特徴を持つ、介護保険適用(レンタル可)商品である。
収益動向は堅調。2021年3月期以降前期まで「30.2%営業増益/20.7%同増益/14.3%同増益/2.3%同増益」、配当も連続増配で39円配に至っている。そして今3月期も「3.1%の増収(610億円)、4.6%の営業増益(48億円)、4.2%最終減益(30億円)」計画。
至27年3月期の中計も「売上高650億円(24年3月期比9.8%増)、営業利益54億2000万円(18.1%増)、純益34億6000万円(10.4%増)」を掲げている。
本稿作成時の株価は1200円水準、予想税引き後配当利回り2.6%余。予想PER13.80倍に割高感は認められない。年初来高値(1月11日)1430円を視野に入れた動きとなろうが、まずは中計初年度の収益動向がポイントになろうか・・・ (記事:千葉明・記事一覧を見る)
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