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タイヤ専売業界で頭抜けた営業利益率のフジ・コーポ、PERは10倍以下
フジ・コーポレーション(7605。東証プライム。以下、フジ・コーポ)。タイヤの専売店「タイヤ&ホイール館フジ」を東北・関東を中心に展開している。
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周知のとおり株主還元策として、「自社株買い・消却」が注目を集めている。フジ・コーポも積極的な姿勢を示している。昨年3月の「上限100万株/同17億円」に続き今10月期も4月に「100万株/12億円」を実施。3期連続の自社株取得・消却となった。
後述するが業績好調が背景であることは論を俟たない。が「積極的な株主還元策」に加え無借金経営という「好財務」が、外国人投資を呼び込んでいる(前10月期末の外人持ち株比率12.8%)。
2020年10月期こそコロナ渦に頭を抑えられる形で「2.6%減収、9.9%営業減益」も、その後の推移は「13.56%増収、17.8%営業増益」「10.89%増収、32.96%営業増益」「4.7%増収、9.4%営業増益」と、回復・順調な推移。
今10月期計画も「0.9%増収(455億円)、1.3%営業増益(56億円)」で立ち上がり第2四半期までに「272億6000万円、37億1500万円」を積み上げ、上方修正の期待を感じさせる。
ちなみに今期は「連続最高益更新」、20年10月期の20円配当が「40円配当予想」という状況にある。今期入り後の既存店売上高は、8月時点で前年比2%増と好調な推移となっている。
タイヤ専売業界は売上高ベースでは、オートバックス(9832)・イエローハット(9882)の2社が大方のシェアを有している。対してフジ・コーポの特筆すべき点は、売上高営業利益率。オートバックスの前3月期:3.5%/イエローハットの9.9%に対し前10月期で12.26%。一口で言うと「体力を生かした価格政策」の巧みさに求められる。前期の決算資料は、こう説明している。
「多雪だった日本海側のスタッドレスタイヤの需要増加、温暖な冬となった太平洋側での夏タイヤの販売好調に加え、第2四半期の夏タイヤ、第3四半期の冬タイヤの値上げが値上げ前駆け込み需要により・・・」。
本稿作成時点の時価は2000円トビ台、予想税引き後配当利回り1.58%。4月18日の年初来安値1582円から同高値2375円まで買い進まれたが・・・過去2番目のN225種平均の暴落という状態下を勘案しても、予想PER9.27倍は割安。過去9年半余の修正済み株価パフォーマンス2.5倍強を勘案すると、中長期構えで臨む決意が肝要か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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