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日東工業、売上高は過去最高も、原材料価格高騰等が利益を圧迫し増収減益 修正後の計画は達成
日東工業、売上高は過去最高も、原材料価格高騰等が利益を圧迫し増収減益 修正後の計画は達成[写真拡大]
エグゼクティブサマリー
黒野透氏(以下、黒野):取締役社長COOの黒野透です。本日は大変お忙しい中、日東工業株式会社の2023年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
また、みなさま方には日頃より、当社へのご指導ご伝達を賜り、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。本日の説明会は、決算説明会資料に沿って行いますので、よろしくお願いします。
はじめに、エグゼクティブサマリーです。2023年3月期の連結売上高は過去最高となりました。また、価格改定効果、為替差益があったものの、想定以上の原材料価格の高騰などが利益を圧迫しました。
結果としては、前期比増収減益となりましたが、2022年11月7日発表の修正計画は達成しています。
目次
本日は目次のとおり、1から4の項目についてご説明します。5は参考資料となるため、後ほどご覧ください。
通期 連結決算ハイライト
2023年3月期の通期連結決算ハイライトです。売上高は1,466億円で、前年同期比10.5パーセントの増収となりました。これは、企業における設備投資の持ち直しにより配・分電盤の売上が増加したほか、自動車関連市場等の堅調な需要によるものです。
営業利益は81億円で、前期比5.4パーセントの減益となりました。これは、原材料価格の高騰の影響を強く受けたことによるものです。
経常利益は90億円で、前期比3.8パーセントの減益となりました。海外グループ会社に対する貸付金の為替差益が発生したことにより、営業利益を上回りました。
親会社株主に帰属する当期純利益は54億円で、前期比17.1パーセントの減益となりました。減損損失による特別損失が減益幅を広げました。
以上により、通期業績は売上高としては過去最高になったほか、利益項目は前期を下回ったものの、2022年11月に発表した修正計画は達成しました。セグメント別および部門別の状況については、後ほど詳しく説明します。
事業セグメントについて
当社グループとその事業セグメントについて、簡単にご紹介します。スライドの円グラフのオレンジ色で記載している部分は、当社を中心とした電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業で、売上構成比58パーセント、営業利益構成比76パーセントを占めるコア事業です。
薄紫色で記載しているサンテレホンを中心とした電気・情報インフラ関連 流通事業は、売上構成比31パーセント、営業利益構成比19パーセントを占める事業です。
水色で記載している北川工業を中心とした電子部品関連 製造事業は、売上構成比10パーセント、営業利益構成比4パーセントを占める事業です。
通期 セグメント別 決算ハイライト
通期セグメント別決算ハイライトです。このスライドより、セグメント名は省略して表記しています。製造・工事・サービス事業は、増収減益となりました。コア事業のため、後ほど詳しくご説明します。
流通事業は、5G関連の案件が減少しましたが、データセンター案件等の増加に伴い、ネットワーク部材の売上が増加したため、増収増益となりました。
電子部品事業は、自動車関連およびエアコン関連市場等の堅調な需要を背景に、電磁波ノイズ対策としてEMC関連製品の売上が増加したため、増収となりました。一方で、利益は原材料価格の高騰や価格改定の遅れ、そして販管費などの増加により減益となりました。
通期 製造・工事・サービス事業(部門別売上高)
当社グループのコア事業である、製造・工事・サービス事業の部門別売上状況です。配電盤部門は、設備投資の持ち直しの動きにより、配・分電盤の売上が増加し、増収になりました。
キャビネット部門は、価格改定効果により金属製キャビネットなどの売上が増加しました。しかし、5G関連の案件の減少によりシステムラックの売上が減少したことなどが影響し、減収になりました。
また、遮断器・開閉器・パーツ・その他の部門は、熱関連機器やEV充電スタンドの売上が増加したものの、ブレーカの売上が減少したことにより、減収になりました。
工事・サービス部門は、工場の機器導入案件や学校の電話設備関連工事が増加したことなどにより、増収となりました。
以上により、売上計画を配電盤部門と工事・サービス部門は達成しましたが、キャビネット部門と遮断器・開閉器・パーツ・その他の部門は未達となりました。
通期 連結営業利益の増減要因
通期連結営業利益の前年同期比での増減要因です。前期は86億円、当期は81億円となり、おおよそ5億円の減益となりました。
当社単体の要因としては、限界利益の増加と価格改定効果により36億円増益となりましたが、原材料価格の高騰で27億円、品群構成の変化などにより5億円、さらに人件費と経費の増加により、前期比ほぼ増減なしとなりました。
次に、グループ要因です。北川工業が前期を下回り減益となりましたが、サンテレホンや他のグループ会社が前年を上回り増益となったことにより、東北日東工業合併の影響を除いたグループ要因では約2億円の増益となりました。
通期 連結財政状態の概要
連結財政状態の概要です。2023年3月期の期末の総資産は、前期末に比べおおよそ112億円増加しています。これは現金及び預金などの流動資産が減少する一方で、瀬戸工場関連の工事に伴う建設仮勘定などの固定資産が増加しているためです。
通期 連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュ・フロー計算書です。スライドの左の表が前期で、右の表が今期となります。
営業活動によるキャッシュ・フローはプラス37億円です。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス138億円で、ほぼ瀬戸工場関連の固定資産の取得による支出となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローはプラス14億円で、こちらは長期借入れ収入によるものです。現金及び現金同等物の期末残高は、期首残高からおおよそ82億円減少し、200億円となりました。
原材料価格高騰の影響、調達の状況及び価格改定効果について
トピックスです。原材料価格の高騰による影響と、調達の状況及び価格改定効果についてご説明します。
原材料価格の高騰による営業利益への影響額は、通期で約27億円を想定していました。通期累計額は、ほぼ想定どおりの結果となりました。
一方で、調達難の状況については、期初の時点では徐々に緩和していくと想定していました。通期では一部緩和したものもありましたが、全体的にはひっ迫状態が続くなど、想定とはやや異なる結果となりました。
価格改定効果については、営業利益を前期比で18億円押し上げる想定でしたが、通期影響額はほぼ想定どおりの結果となりました。
通期計画の前提
2024年3月期通期連結業績予想をご説明します。まずは当社単体の通期計画の前提条件についてです。原材料価格・部材価格については、価格高騰の影響で前期比8億円の営業利益の押し下げを見込んでいます。
調達難の状況については、今期も緩和する傾向が続くと考えており、一部では正常化する見込みです。価格改定の効果については、次のスライドでもう少し詳しくご説明します。
その他については、スライドの表のとおりです。
【「通期計画の前提」の補足】価格改定について
先ほどご紹介した通期計画の前提の1つである、価格改定効果についてです。スライドのとおり、2022年7月に第1弾の価格改定を実施し、2023年4月より第2弾を実施しています。
第2弾では、第1弾で見送った対象製品を中心に、10パーセントから15パーセント程度の改定を行っています。今期はこの2回分の増益効果を、合計29億円と見込んでいます。
通期 連結業績予想
当社グループの通期連結業績予想です。売上高は1,560億円で、プラス6.3パーセントと想定しています。設備投資の底堅い需要に伴う既存市場の売上増加により、増収となる見込みです。
営業利益は101億円で、プラス23.6パーセントを想定しています。利益項目は、原材料価格の高止まりや部材価格の高騰による影響はあるものの、売上増加による限界利益の増加や価格改定効果などにより、増益となる見込みです。
連結経営成績の推移
連結経営成績の推移です。2024年3月期は、計画どおりに着地すれば、売上高は過去最高、営業利益は過去6番目の成績となります。
セグメント別 業績予想(製造・工事・サービス事業)
セグメント別の業績予想です。まず、製造・工事・サービス事業の売上高は898億円、前期比プラス5.0パーセントで、増収となる計画です。民間設備投資の増加基調などにより、既存市場の需要は底堅く推移すると想定しています。また、2023年4月の第2弾の価格改定に伴う売上増加による増収も見込んでいます。
具体的な取り組みとしては、電気自動車で使えなくなったバッテリーをリユースし、太陽光パネルで発電された電力を蓄える蓄電池として活用することで、脱炭素社会への好循環サイクルを実現した産業用太陽光自家消費蓄電池システム「サファLink-ONE-」をエネルギーマネジメント関連市場へ拡販します。
また、お客さまのニーズに合わせ、標準品キャビネットの仕様変更や組み換えを行います。そのために、お客さま自身で容易に設計や発注が行える「スマートオーダー」システムを導入しました。利用拡大によるキャビネットの拡販にも取り組んでいきます。
セグメント別 業績予想(流通事業)
流通事業についてです。流通事業の売上高は507億円で、前期比10.3パーセントの増収となる計画です。主力のオフィス関連案件などの需要については引き続き緩やかな回復を想定しているほか、タイの現地企業のM&A効果などによる増収を見込んでいます。
主な取り組みとして、ECサイトの導入拡大による効率化を推進します。また、再生可能エネルギー市場における落雷ソリューションなどの拡販を行います。さらに、タイやベトナムの子会社を中心とした、ASEAN地域の基盤構築および売上拡大を図ります。
セグメント別 業績予想(電子部品事業)
電子部品事業についてです。電子部品事業の売上高は155億円となりました。前期比プラス1.7パーセントの増収計画です。半導体供給不足の解消に伴う需要の回復を見込んだ自動車関連市場のほか、アプライアンス関連市場の売上増加や、価格改定の浸透を想定し、増収を見込んでいます。
具体的な取り組みとしては、電磁波ノイズや熱に困っているお客さまに対するソリューションによってスペックイン活動を強化し、関連対策製品の売上拡大を目指します。特に、活況である中国自動車関連市場の売上拡大を目指しています。
通期 連結営業利益の増減要因(今期予想前期比)
通期連結営業利益の前年同期比での増減要因です。2024年3月期の連結営業利益は、前期比23.6パーセント増の101億円を見込んでいます。当社単体では約13億5,000万円、グループ全体では約6億円の増益となります。
内訳についてです。当社単体では、売上要因として限界利益の増加や価格改定効果などにより増益となる見込みです。また、変動費要因として、部材価格の高騰等により減益となります。固定費要因は瀬戸工場関連の経費の増加等で、こちらも減益となります。
グループの要因としては、サンテレホンや北川工業の増益やのれん償却費の減少があり、増益を見込んでいます。
設備投資額、減価償却費
連結の設備投資額と減価償却費です。2024年3月期の設備投資額は192億円で、前期比プラス71億円となります。瀬戸工場の建設関連費用が引き続き増加する計画です。
減価償却費は前期比プラス4億円となります。
配当の状況
配当の状況です。2023年3月期の通期配当金は145円となりました。連結配当性向は100.4パーセントとなります。2022年11月の下方修正では年間配当予想を140円に変更し皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、グループ一丸となり取り組んだことから着地が修正計画を上回ったことにより最終的には5円をプラスし、145円となりました。
2024年3月期の通期配当金は188円、連結配当性向は100.4パーセントを計画しています。なお、資本政策の状況に関しては、後ほど簡単にご紹介します。
長期経営構想 長期成長ストーリー
長期成長ストーリーです。当社グループは、経済的価値と社会的価値の両立を目指し、企業価値の向上に努め、地球の未来に「信頼と安心」を届ける企業グループへと成長することを目指しています。
「2023中期経営計画」の期間は、次なるステップへと飛び立つための土台を築く3ヶ年です。また、新規事業を創出する3ヶ年、成長に必要な瀬戸工場を準備する3ヶ年として定めています。
2023中期経営計画 中期経営方針
中期経営方針として「足場固めと攻めの経営」を掲げています。この基本方針を支えるため、ROEを重視した資本効率経営と、BSマネジメントを推進していきます。
2023中期経営計画 事業方針と基盤強化
事業方針と基盤強化についてです。製造・工事・サービス事業では、お客さまの要望に基づき設計、生産を行う対応型製品を受注することにより、お客さまの要求やトレンドをいち早くキャッチします。
そのような要求の多い製品を標準品として大量生産することにより、価格や納期のメリットを生み出し、顧客満足度の向上にもつなげていきます。それこそが当社の強みだと思っています。
また、グループ各社のニーズを拾い、グループ内で使用する標準品の開発によって幅を広げ、高い収益性の確保を目指します。
さらに、電気自動車の充電システム、防災・減災製品、カーボンニュートラルに貢献するエネルギーマネジメントなどの新規事業と、シンガポールのGathergates社をはじめとする海外の配電盤事業、さらにはタイのNITTO KOGYO BM(THAILAND)の新工場を活かしたローカル案件の積極受注を行います。海外での配電盤事業を軌道に乗せ、成長することに注力していきます。
流通事業では、新たな領域や次世代を創出するソリューションパートナーへの成長を目指します。今後、5G、6Gなどの新技術により情報通信市場は活況となります。そのため、eコマースなどの受発注業務の効率アップも目指したシステムにも注力していきます。
電子部品事業では、保有するEMCなどの電磁波ノイズ対策技術や、熱を逃がす熱対策技術のコア技術をさらに研究し、進化させ、グローバルにソリューションを展開することを目指します。
2023中期経営計画 事業戦略進捗
「2023中期経営計画」の事業戦略の進捗です。
電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業では、1つ目の戦略として、サステナビリティを重視した環境配慮型工場である瀬戸工場の建設を進めています。DXを駆使し、自動かつ多品種少量生産への対応力を強化するほか、仕様、生産、出荷の情報をシステム化し、一括管理することで、価格や納期の「見える化」を実現します。
また、太陽光発電システムの発電電力を生産設備等に利用し、不足分はカーボンフリー電力を購入することにより、100パーセント再生可能エネルギーで電力を賄います。そして、太陽光発電システムを設置し、発電した電力を当社の中津川工場へ託送します。さらに、来客および社員の駐車場にはEV充電設備100台を順次設置し、EV自動車の利用を促進します。
このように環境負荷の低減に考慮し、DXを取り入れたスマートファクトリーを目指しています。なお、瀬戸工場の稼働は来年春頃を予定しています。
2023中期経営計画 事業戦略進捗
2つ目の戦略としては、持続可能な社会の実現に向けた事業領域の拡大に取り組んでいきます。スライド左下のグラフは、エネルギーマネジメント関連製品の売上動向を示したものです。
太陽光発電システムに関連するパワーコンディショナ用の収納箱はもちろんですが、最近では商用電源と蓄電池の電源を切り替える機能を有した住宅用分電盤などの需要が増えています。当社が持つコア技術やIoTなど、新しい技術を活用した製品・サービスの売上が拡大しています。
さらに、今年4月より脱炭素社会への好循環サイクルを実現した産業用太陽光自家消費蓄電システム「サファLink-ONE-」の受注を開始しました。今後も本市場における売上の拡大が期待されます。引き続き、当社は脱炭素社会、持続可能な社会の実現に向け、社会課題の解決にも取り組んでいきます。
2023中期経営計画 事業戦略進捗
流通事業では、市場のニーズを的確に捉えて対応し、DXによる超スマート社会の実現に寄与していきます。また、第2の事業の柱を担う、新たな付加価値提供型ビジネスを創造することに取り組んでいきます。
電子部品事業については、国内で新たな成功モデルを創造し、海外の成長エンジンとします。国内の成功モデルを海外に展開し、重要市場である自動車、アプライアンス、ICT市場の売上拡大に取り組みます。
これらは具体的な事業戦略に沿って確実に取り組みを進めており、すべてのセグメントにおいて事業戦略は順調に推移しています。
2023中期経営計画 資本政策の状況
資本政策の状況です。2023年3月期の中間配当により、配当性向を100パーセントとし、自己資本の肥大化抑制を図っています。しかしながら、資本政策の導入以降に、想定をはるかに上回る原材料価格の高騰や部材調達難の影響を受けていることなどにより、当初想定していた収益の増加が進んでいない状況です。
なお、2024年3月期のROEは前期から改善を見込んでいます。本中期経営期間である2024年3月期まで、引き続き本取り組みを継続していきます。
さらなる成長に向けて (2030年を見据えて)
さらなる成長に向けた戦略です。自動車の電動化を支えるインフラ事業やエネルギーマネジメント関連事業により、規模の拡大に注力していきます。
その実現に向け、M&A投資や研究開発投資を進めるとともに、生産の面では栃木野木工場への拡大投資、環境負荷の低減に向けたグリーン投資、デジタル投資、人材投資を引き続き行います。さらには資本効率経営を継続し、すべてのステークホルダーへの価値提供にも積極的に取り組んでいきます。
ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:第2弾の値上げの状況と業績への影響について
質問者:第2弾の値上げについて、今年度の業績にも効果を織り込んでいると思いますが、第1弾と比べると価格は上げにくいのでしょうか?
また、第1弾の対象製品にはキャビネットなど、御社の得意なものが多かったように思いますが、第2弾には必ずしもそうではないものも含まれている気がします。現在の値上げの状況や足並みの揃い方などを教えてください。
黒野:第1弾では、当社の主力製品であるキャビネットの値上げを行いました。そちらは価格面でもリーダーといえる製品であるため価格改定が行いやすく、第2弾の値上げは主力の製品ではないため、反応があまり良くないのではないかと、ご心配いただいているのだと思います。
第1弾の値上げは特段問題なく実施することができたと思っています。また、第2弾もいろいろな市場で値上げがあるため、問題になるとは思っていません。第2弾の値上げからまだ1ヶ月、2ヶ月くらいしか経っていませんが、販売する代理店からも「反応は良い」との評価をいただいています。そのため、売上に関しては現在、29億円の増益効果を見込んでいます。
質問者:価格改定が肯定的ということであれば、第3弾、第4弾の実施もあるのでしょうか?
黒野:市場の状況や我々の製品の原材料価格、エネルギー価格、人件費などを考慮した上で、検討していきたいと思っています。
質疑応答:エネルギーマネジメントシステムについて
質問者:中期経営計画のお話の中で、エネルギーマネジメントシステムの売上高が示されていました。2023年3月期は61億円でしたが、住宅用の分電盤や充電スタンド等の4種類ある製品のうち、どの部分の売上が大きいのでしょうか?
また、中長期的に売上が何倍にもなるように見えますが、何に一番期待されていますか?定量的でなくともよいので、そのような期待の理由も含めて教えてください。
黒野:エネルギーマネジメントシステムに関して、我々が一番売上の拡大を目指しているのは2番目に挙げているEV用充電スタンドです。
最近は充電スタンドの事業者に、我々の「Pit-2G」がたくさん採用されている背景があります。これはいろいろな認証をクリアし、補助金を受けられる体制が整ったためで、今後もEV用充電スタンドが伸びていくと考えています。
2023年3月期の上期は、まだ部品調達難の影響があり、EV用充電スタンドが作れない状況もありました。しかし、下期からは部品を順調に入手できており、販売も順調に推移しています。
また、「サファLink -ONE-」は将来、売上が拡大していくと想定していますが、これはまだ受注を開始した段階です。打ち合わせや設置には時間がかかるため、すぐさま来期の売上に大幅な影響を及ぼすことはないと考えています。
質疑応答:営業利益の増減の計画について
質問者:営業利益の増減の計画についてです。価格改定効果はプラス29億円となっていますが、第1弾と第2弾を分けると、どのような内訳になるのでしょうか?第1弾は前期の第4四半期のみでプラス9億円の効果があったため、第1弾だけでも今期にもう少し効果が乗ってくると思います。
また、今期は瀬戸工場の関連経費もかなり大きく乗ってくると思いますが、来年度以降も続くのでしょうか?そちらの内訳も教えてください。
真野貴明氏(以下、真野):スライド22ページに記載している連結営業利益の増減要因の中の、価格改定効果の内訳についてのご質問でしょうか?
質問者:そのとおりです。第1弾と第2弾を分けた場合に、どのように織り込まれているのかを教えてください。
真野:第1弾の価格改定は2022年7月から行ったため、今期の第1四半期にも第1弾の効果を見込んでいます。今期中の第1弾の効果は約10億円、第2弾の効果は約19億円、合わせて約29億円の価格改定効果を見込んでいます。
瀬戸工場の関連経費は8億円ほどで、その内訳としては減価償却のほか、一過性のものとして不動産の取得税、さらに移転費を見込んでいます。
質疑応答:次期中期経営計画とROEの見通しについて
質問者:御社の財務体質を見ると、自己資本も厚いため、次の中期経営計画で配当性向を100パーセントに上げても、ROEを8.5パーセントまで持っていくのはなかなか難しいことだと思います。
今、策定中だと思いますが、次の中期経営計画では、どのようなところを重視されていますか? ROEは諦めるしかないのでしょうか? 資本政策に関する御社の考えを教えてください。
手嶋:次期中期経営計画に向けては、先ほど黒野よりご説明したように、この2年間は土台がためという意味もあり、100パーセントの配当により、分母を抑えてきました。今後は成長投資と配分のバランスを取りながら、現中期経営計画をどのようなかたちでブラッシュアップし、次の中期経営計画につなげるかを考えています。
現状、お答えできるのはその程度ですが、そのようなことを考慮しながら、投資家のみなさまにもご理解いただけるような政策を出し、バランスを取っていきたいと考えています。当然ながらROEについても、これからどのようなかたちで数字を持っていけるかを検討していきます。ですので、本日のところはご容赦いただければと思います。
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