第3Qの営業益・純益が通期計画比40%台でもヒューマンHDが通期予想を変えない理由

2023年4月29日 08:13

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 ヒューマンホールディングス(東証スタンダード。以下、ヒューマンHD)。教育事業を中心に、人材派遣業・介護事業を展開している。2022年3月期の「0.6%増収、8.4%営業減益、14.4%最終増益、4円増配30.5円配」に対し今3月期は、「6.0%の増収(914億5400万円)、17.2%の営業増益(29億円)、5.8%の最終増益(17億4200万円)、2円増配32.5円配」と回復基調入りを示す計画。

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 だが第3四半期時点で、計画達成に不安を禁じ得ない状況にある。第3四半期決算を覗くとこんな具合だ。期初計画比に対する進捗率は、「売上高:74.3%、営業利益:46.9%、最終利益:49.0%」。が、通期計画は据え置いている。

 まずは第3四半期の決算内容を覗いておく。

 (I)人材関連事業: 高まる人材需要に対応すべく求人投資を実施、新規就業スタッフ増で売り上げは好調に推移。だが期中の大型連休、経済社会正常化や新型コロナウイルス感染症の和らぎで、有給取得数が増加。人件費率が増加。結果売上高は前年同期比4.5%増(258億5300万円)も、求人投資や人件費率増で営業利益は38.5%減(5億4200万円)。

 (II)教育事業: 教育のデジタル化に伴う不安・挫折の解消に照準を定めた、独自の学習マネジメントシステムの提供開始。社会人教育事業でもオンライン化・VOD化に注力。全日制教育事業では新たに開設したeスポーツカレッジなどの効果で在校生数が増加。保育事業では4カ所の認可保育所を開設。結果、7.3%の増収(121億1900万円)20.9%の営業増益(1億6200万円)。

 (III)介護事業: デイサービスの稼働率低下継続。介護職員の負担軽減策(タブレット端末の導入等)や人材の獲得・定着に対応(処遇改善)で負担増。2.4%増収(56億5300万円)、86.4%営業減益(2600万円)。

 この限りでも、人材事業や介護事業の先行投資負担が計画の利益積み上げのネックになっていることが窺える。が、そうした影響を引きずりながら、第4四半期で期初計画の看板を下ろさないのは何故か。ヒューマンHDでは、こう説明している。

 「利益の進捗率は遅れているが、各事業の売上高がコロナ禍から回復基調で推移する見込み。特にコロナ感染拡大に伴う入国制限により影響を受けていた留学生数、海外ITエンジニアの稼働者数が回復基調で推移する見通し」。

 「見通し」としながらも発信する口調には「強さ」が感じられる・・・

 介護事業では4月に、難病や末期がん患者向けの社宅型ホスピスを開業した。事業の歩みを止めない姿勢も窺える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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