相続費用の見積サイトを立ち上げた、鎌倉新書の収益動向は「回復基調」

2022年12月14日 17:47

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 鎌倉新書(東証プライム)。葬儀・墓・仏壇・相続などに関する12のポータルサイトを運営している。2021年1月期こそ新型コロナウイルス禍の中で「葬儀などの在り様の変化」の影響を受け、営業利益は前期比67%減(2億6500万円)と大幅に沈んだ。だがその後回復基調入りし、今期予想は6億4000万円。

【こちらも】鎌倉新書の収益回復&企業努力を、株価は反映してもよいと思うが!?

 長らく鎌倉新書をウォツチしてきたが、とにかく「とどまることが嫌いな会社」というのが実感だ。11月末に『相続手続きの費用を無料で一括見積!!「相続費用見積ガイドを」開設~簡単3ステップで手続き費用が丸わかり』と題するリリースが配信された。

 死んでしまえばこっちのもの。後の手続きは子供たちに、と高を括っていた。が、リリースを見てびっくりした。死後1年以内に素人では難しい手続きがやまとある。いわゆる士業の手を借りずには容易ではない。

 死んだ後も「あのくそ親父」と思われるのも癪な話だ。備えておかねばなるまい、とリリースを確認した。いわばこのマッチングサイトは、以下の手順で活用する。

 (I)居住する都道府県名・市町村名を選び、見積内容を選択(複数可)する。
 (II)専門家候補が表示される。選択し見積依頼ができる(複数人可)。
 (III)依頼した専門家から電話やメールで、見積金額が最短で当日提示される。見積を比較するなどし、納得して選択することができる。

 加えて依頼先を判断する際「相続員数」「遺書の有無」「相続財産の具体例」を、選択性で付け加えることができるので依頼はより具体化される。

 広報担当者に聞いた。「何故、こんなWebサイトを開設したのか」と。「2019年に相続に対する専門のコールセンターを立ち上げた。そうした中で、相続の見積に関することを具体的に知りたいという需要を実感した結果」と言う。

 更には、サイトの今後の機能拡大についてこう意欲を見せた。「掲載する士業に対する、顧客視点での口コミ機能。エリアごとの相続手続き費用の相場を案内するコンテンツ」etc。

 こうした話の流れの中でいささか不謹慎かとは思うが、鎌倉新書は投資対象としてどうか。四季報は【増益基調】の見出しで、来期の営業利益を7億4000万円(15.6%増)と独自予想しているが・・・、やはりポイントは収益動向であろう。

 年初来安値(3月9日:392円)から同高値:969円(9月28日)まで買い直され時価は、時価は840円と調整局面も収益復活を映し出す基調。信用取引の倍率は0.6倍。収益如何で売り方の踏み上げもあり得ると見るが!?(記事:千葉明・記事一覧を見る

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