後発医薬品大手3社中間期:債務超過&大幅減益の実態を覗く

2022年12月7日 08:46

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 ジェネリック(GE)専業大手3社はいずれも厳しい状況で中間期を通過、下期入りした。

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 とりわけADR再建の真っただ中にある日医工(東証プライム)の動向は、後発医薬品市場の需給にも深くかかわるだけに深刻。4-9月期は「578億3800万円の営業損失、551億8000万円の最終損失」。

 日医工は米国子会社:セージェントの減損テストを実施。IFRS(国際会計基準)に基づき、474億1700万円(のれん代・有形無形固定資産)の減損損失を計上したのが損失額大幅拡大の要因。結果、356億2600万円の債務超過に陥った。

 業界専門紙:日刊薬業の11月24日号も指摘するように、「GEの需給状況は少しずつ改善しつつあるものの、日医工が今後も経営再建と取り組む中で不採算品の整理を進めた場合、供給難が深刻化する恐れもある」。債務超過状態がGE市場の今後に重くのしかかってくる。

 また東和薬品(東証プライム)は11月に「薬価改定による影響を、販売数量の増加で補いきれない見通し」を理由に通期予想を、「54.7%減益、60.4%最終減益」大幅に下方修正した。中間期時点の製品数は、341成分774品目。かつ「安定供給の為に23年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、24年度以降175億錠の生産能力を実現」等を明らかにしている。

 中間期の厳しさは薬価改定の影響に加え、健康関連事業展開に当たり三生製薬の子会社化という前向きな施策の影響もあった。売上高にこそ寄与も、セールスミックスの悪化による売上原価率の上昇だ。

 日刊薬業によると、東和薬品の吉田逸郎社長は決算発表の席上で日医工に触れ、「業界全体としては、できればいまのまま生産・販売を続けて欲しいが、赤字などの数字いかんでそれが難しくなった場合を心配している」と語ったという。

 サワイグループホールディングス(東証プライム、サワイHD)も、「0.9%の減収、36.2%の営業減益、27.3%の最終減益」で下期入りしている。要因は主に3点。1点目は前年同期(22年7-9月期)に他社の供給停止が相次ぐ中、需要増に対応するための在庫放出(出荷調整)の反動。8月末でも269品目と、解消は未だ遠い。もう1点は小林化工から譲受し設立したトランスファーマテックの(先行)製造開始費用24億円の発生。

 前者については今後の解消への道程を見守るしかないが、後者は自社生産能力200億錠超に向けた前向きな施策の一環。更に前期359億円近い営業損失の計上要因となった米国事業は、今上半期黒字転換している。

 後発医薬品は消費者には「懐に優しい」存在。だけに大手3社の動向は注視に値する。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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