プリント基板用部材の世界的企業:太陽HDの今後の注目は医療・医薬品

2022年11月16日 18:52

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嵐山事業所に2024年1月に竣工予定の新たに開発棟のイメージ。(画像: 太陽ホールディングスの発表資料より)

嵐山事業所に2024年1月に竣工予定の新たに開発棟のイメージ。(画像: 太陽ホールディングスの発表資料より)[写真拡大]

 太陽ホールディングス(東証プライム。以下、太陽HD)にそもそも興味を抱いた理由は佐藤英治社長の「キャリア」であり、「100年企業を創るため施策」だった。佐藤氏は大学を卒業後、監査法人に身を置いた、公認会計士。その後、幾多の企業の起業にかかわった。再建(USEN等)に携わったキャリアを有する。

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 そうしたキャリアが太陽HDに転じた際に「100年企業を創るには、社員が働きやすく働き続けられる環境が肝心」と、「たいよう保育所」を設けた。単なる企業保育所ではない。敷地の隣に畑や里山を作り「季節の野菜を育て収穫する」「カブトムシやオオムラサキ(国蝶)の飼育、シイタケ栽培」ができる自然と触れ合える保育所だった。定員に空きがあれば、地域にも開放する。他に例を知らない。

 プリント基板用絶縁材インキで世界首位。好調な収益の推移を示している。ちなみに過去10期間で増収・営業増益が各8回。

 前期の「21%増収、28.8%営業増益、23.9%最終増益(過去最高益更新)」に続き今3月期も「11.7%増収(1094億円)、5.8%営業増益(190億円)、8.4%最終増益(128億円、連続最高益更新)」計画で立ち上がり、第1四半期は前年同期比「9.3%増収、24.4%営業増益、16.5%最終増益」で通過。

 前期決算で見ると、事業内容・状況はこんな状態。

★電子機器用部材: リジェット基板(柔軟性のない一般のプリント基板)用部材は「ディスプレイ」「車載」「民生」「スマホ」用が好調に推移。特にMINILEDディスプレイ(デバイスの小型化に寄与)向けの新製品が牽引。

 スマホやPCに不可欠なプリント配線板の回路を保護する感光性レジストでは「黒色」を開発、新製品への導入で従来の緑・青色を凌駕する勢い。半導体パッケージ基板用部材も、半導体需要の高まりを受け高水準で推移。円安効果(期中対ドル平均レートで6.7円安)もあり、「33.9%増収、52.4%営業増益」。

★医療・医薬品事業: 注力している新規分野。英国アストラゼネカの子会社日本法人から譲受した4製品の移管完了で堅調。医療用医薬品製造受託はコロナウイルス感染拡大抑制で、一部製品で受託数量が減少。結果「4.4%減収、37.4%営業減益」。

 プリント基板用部材の基盤は盤石。「医療・医薬品事業が今後を占う上でポイント。期待しうる」とする見方が支配的。それを映すようにIFIS目標平均株価は時価2000円台半ばに対し、4000円台初め。だが時価の予想税引き後配当利回り2.3%は魅力。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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