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FOMCのサプライズ、株価はさらに下落か!?
●FRBが0.75%利上げ
米国連邦準備理事会(FRB)は6月14日から15日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)において、FF金利の誘導目標を0.75%引き上げ、1.5~1.75%とした。
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当初は0.5%の利上げで、7月も同様に0.5%利上げすると見られていたが、1994年以来となる0.75%の大幅利上げはサプライズだった。
パウエル議長は7月も0.75%の大幅利上げになる可能性も示唆しており、そうなると市場も警戒感を強めざるを得ない。今回の決定を受けて、本来ならネガティブサプライズのはずだが、直後は株価が上昇し、ドル高も落ち着いた。
一方で、その翌日には株価が急落している。今後の展開はどうなるのだろうか?
●背景にはCPI
直近5月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比8.6%上昇となり、予想の8.3%上昇を大きく上回る伸び率を示し、インフレがピークに達したという淡い期待は打ち砕かれた。
NY連銀が発表した世論調査でも、さらにインフレが進むという予想が多かった。7月も0.75%の利上げになるかどうかは、6月のCPI次第ということになりそうだ。
●今後の為替と株価は?気になる日本の状況
このペースでいくと、2023年末には政策金利が3.8%まで上がるという見方もある。
一方で、インフレにより支出が増えていることも問題となっており、需要が減退し、景気後退に向かうリスクもある。
失業率が1年以内に上昇するリスクも高まっており、この数カ月で失業率が上昇する場面があれば、CPI同様にマーケットが敏感に反応する恐れもある。
景気の悪化や、インフレ圧力が止まることがあれば、利上げのペースは緩めざるを得なくなる。そうなれば、株価の上昇要因にもなる。金利は3.8%まではいかない、という見方も多い。
今後もインフレ状況と利上げのペースを意識しながらのマーケットとなるだろう。
円相場は、1ドル135円近辺で、政府・日銀関係者が“口先介入”をしても、円安抑制は一時的で小幅なものに限られ、ドル高・円安の流れはしばらく続きそうだ。
日本株も、円安で大きく恩恵を受ける企業以外は、大幅上昇することも期待しづらい。特に、日本独特の要因で上昇することも考えづらく、しばらくは米国次第ということになりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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