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トヨタ株、好調の要因は?
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●トヨタ株が好調
トヨタ自動車の株価が好調である。9月30日を基準とした1対5の株式分割が好感されており、株式分割後も113円~114円台の円安が進んでいることも買い材料となっている。
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株式分割後に1度、2000円台を大きく割り込んだが、その後一旦2000円台を回復し、2000円近くをキープしている。
元々、業績の好調さと自社株買い、電気自動車(EV)へのシフトチェンジを好感されており、6月には上場来高値を更新する1万円台まで上昇していた。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、東南アジアの部品工場の停止が相次いだことを受けて、9月に減産を余儀なくされており、発表時に株価が下落する局面もあった。今後も好調さは続くのだろうか?
●株式分割の効果
今回のトヨタのように、株価10000円の株を100株持っていれば、1対5の分割で2000円の株が500株となる。
株式を分割することで、1株当たりの株価が下がり、株が買いやすくなる。結果、流動性が高まり、時価総額が上がるメリットがある。
一方で、流動性は高まるが、その分ボラティリティが上がり、株価の安定性が損なわれるというデメリットもある。
●好調さは持続できるのか?
9月、10月と減産を続けてきたが、東南アジアでの新型コロナの拡大も落ち着き、部品調達に目処がついたとして、12月からは挽回生産を検討しているとロイター通信などが報じている。
トヨタは35年までに工場から排出される二酸化炭素(Co2)を実質ゼロにするとしている。そのための技術開発も積極的に行うとしている。環境問題への取り組みも高評価を受けている一因だ。
トヨタだけでなく、新車・中古車の需要が順調に伸びており、国内ではホンダや日産、海外ではフォードやフォルクスワーゲン(VW)などの株価も好調である。
トヨタ自体の業績は好調であっても、テーパリングを控える米国の動向や、それに伴う為替レートが、株価には大きな影響を与えてくるだろう。
今後は、半導体不足やスタグフレーションなどによる供給面の問題にも、警戒が必要となるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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