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東電やシャープら、初期投資・管理が不要な太陽光発電をホームセンターへ導入
ホームセンタームサシ名取店に設置した太陽光発電システム(画像:東京電力ベンチャーズらの発表資料より)[写真拡大]
東京電力ベンチャーズは21日、オンサイトPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)モデルによる太陽光発電システムを、アークランドサカモトが運営するホームセンターに導入したと発表した。システム導入と電気供給サービスは、シャープエネルギーソリューション、三菱UFJ信託銀行と提携し共同で提供する。アークランドサカモトは、初期投資や設備の維持管理の負担がなく、発電された電気を固定料金で使用できる。
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オンサイトPPAモデルとは、施設所有者が提供する敷地や屋根などのスペースに、太陽光発電事業者が発電システムを設置し、発電した電力を施設の電気使用者へ有償提供する仕組み。日本が目指す「2050年カーボンニュートラル」に向け、CO2排出を削減できる発電設備が求められる中で、太陽光発電がより多くの施設に導入できる手段として注目されている。
今回の導入では、東京電力ベンチャーズがサービス全体の運用・アレンジを担い、太陽光発電システムは、シャープエネルギーソリューションが設置・保守管理を行う。三菱UFJ信託銀行は事業構造の構築やファイナンス提供などを担う。アークランドサカモトは、所有施設の屋根などスペースの貸与を行うが、初期投資や設備管理は不要で、発電された電気を定額で使用できる。
電気料金の金額設定はシステム容量や契約条件などで異なる。屋根などの面積が2,000平方メートル以上、契約電力が500kW以上、休日も使用量が大きく変動しないなどの条件に合致していれば、CO2と併せて電気料金の削減にもつながるという。
今回、太陽光発電システムを導入したのはアークランドサカモトが運営する「ホームセンタームサシ名取店」(宮城県名取市)。導入による年間の想定発電量は約1,388MWhで、導入店舗年間使用電力量の32%相当の発電を予定。CO2の排出量では、年間約715t相当の削減が見込まれている。
アークランドサカモトは、2020年にホームセンターのビバホームを完全子会社化し、全国で140店舗を傘下に持つ。同社は、名取店への導入を皮切りに、所有する全国の店舗・事業所へ順次拡大する予定。太陽光発電システム導入の推進により、事業運営における脱炭素に対する取り組みを進め、持続可能な環境へ貢献していく方針だ。
ホームセンタームサシ名取店での太陽光発電システムの稼働開始は、2021年10月15日を予定。東京電力ベンチャーズら3社は、サービス提供を通じて、安心・安全な新しい社会インフラの創出と再生可能エネルギーのさらなる普及拡大を目指していくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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