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トヨタ、新型ランドクルーザーを発売 指紋認証スタートスイッチを初採用
トヨタは2日、ランドクルーザー生誕70周年の節目の1台として、新型ランドクルーザー(300シリーズ)を発売した。設定されるグレードはガソリン車のGX、AX、VX、GR SPORT、ZXと、ディーゼル車のGR SPORT、ZXで価格は510万~800万円(消費税込)。海外でも人気があるだけに国内での盗難ランキングでも常に上位に入るが、指紋認証スタートスイッチを採用したことで、セキュリティも強化されている。
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■ランドクルーザー300シリーズ 概要
フルモデルチェンジしたランドクルーザーは「継承と進化」、「運転しやすく、疲れない」がコンセプト。車両デザインについては既報の通りである。
アプローチアングルは32度、デパーチャーアングルは26度、ランプブレークオーバーアングルは25度。車両が斜めの状態でも安定していられることを示す最大安定傾斜角は44度で、登坂能力は45度に設定されている。川などを渡る際にどこまで水深に耐えられるかを示す最大渡河性能は700mmと、トヨタのオフロード車を代表するにふさわしい能力を持っている。
プラットフォームはGA-Fプラットフォームを採用。ラダーフレームを刷新し、高剛性も従来比+20%とこれまで受け継がれてきたものをさらに磨き上げたものになった。ドアパネルなどをアルミニウム化したことで約200kgの軽量化に成功し、実際の車両総重量はグレードによって異なるが2,635kg~2,905kgとなっている。
サスペンションはフロント、リアともに新開発で、フロントにハイマウント・ダブルウィッシュボーン式、リアはトレーリングリンク車軸式を採用した。悪路走行時はでこぼこした道などを通ることが多く、4輪のうちどこかが浮いてしまうとバランスが取れなくなってしまうこともある。そう言ったことを防ぐためにサスペンションアームの配置を変更することで、タイヤの浮きづらさでもあるホイールアーティキュレーションも改善されている。
オフロード走行時のサポート機能として、6つ(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)の走行支援モードが選択できるマルチテレインセレクトを搭載。フロント・サイド左右・リアにカメラを装着し、車両周辺の路面状況を映し出すことができるマルチテレインモニターや、12.3インチディスプレイに傾斜計、アクセル・ブレーキワークなどを表示できる機能も備わっている。
エンジンは、ガソリン車が3.5LのV35A-FTS、ディーゼル車は3.3LのF33A-FTVと、2タイプ設定されており、どちらもV型6気筒インタークーラー付ツインターボで燃料タンク容量は80L。これに掛け合わされるトランスミッションはDirect Shift-10ATの電子制御10速オートマチックトランスミッションである。それぞれのエンジンのために駆動力特性と変速タイミングは最適化されており、ドライバーが求める加速感とトルク特性を体験できる。
■GR SPORTも設定
世界一過酷とも言えるダカールラリーに参戦しているドライバーからの改善要望を取り入れながら開発された、GR SPORTも今回から投入される。主に採用されたアイテムとしてはE-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)、電動デフロックである。
E-KDSSは世界初投入となり、市街地を走行する際の走行安定性とオフロードでの走破性を両立させるために、電子制御でスタビライザー効果を変化させる。
実際何をしているかと言うと、市街地走行ではスタビライザーをロックすることで効力を発生させ、コーナリング時のロール(横揺れ)を抑える。これにより、制御している場合としていない場合では車両の傾きが異なる。
オフロード走行時はスタビライザーをフリーにして動かすことで路面にはうように走行できるようになる。結果として、制御なしの場合はでこぼこによる下からの突き上げに負けてしまうため、縦揺れおよび横揺れに過敏に反応してしまい車内の揺れは相当なものになる。制御ありの場合はそれらを抑えて、揺れが大きくならないようにコントロールしている。
もちろんGR SPORTはほかの車両を見ても、専用デザインなどが採用されており、ランドクルーザーもそれに沿った専用エクステリアとインテリアが用意されている。グリルにトヨタマークではなく、「TOYOTA」とロゴが付いているのが少し海外チックで、よりオフロードを意識している。
■指紋認証スタートスイッチ
冒頭にも述べた通り、ランドクルーザーは国内で多く盗難され、海外に流されることが多い。基本的なケースはエンジンをかけ、そのまま持って行ってしまうことなので、その対策として指紋認証スタートスイッチが世界初採用された。
読んで字のごとくドライバーの指紋を認証しないとエンジンがかけられない。納車時には指紋登録されていないため、初めて指紋を登録するときは、マルチインフォメーションディスプレイで「車両設定」、「指紋」、「登録」、「追加」の順で押していき、最後に登録したい指で複数回指紋センサーにタッチすれば完了となる。この機能でどこまで盗難が減るのか、懸念される点はあるが見ものだ。
また指紋認証スタートスイッチは、マイセッティングと呼ばれる機能の一部となり、登録しておくことでエンジンをACCまたはONにするとドライビングポジションなども再生される。
なお、事前に予約していたユーザーには関係ない話だが、現時点で予約をする人は納車に1年以上かかる見込みだ。(記事:キーパー・記事一覧を見る)
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