相場展望2月25日号 「日経平均4万円」説の流布は過熱感を表すか?

2021年2月25日 08:10

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)2/22、NYダウ+27ドル高、31,521ドル
  ・米長期金利の上昇を嫌気する形で売り先行となったが、売り一巡後は米国の追加経済対策の成立や、コロナからの経済活動正常化を期待した買いが入った。(日経新聞)
  ・ただし、ナスダック総合とSP500は下落した。

【前回は】相場展望2月22日号 (1)日銀ETF購入方針の変更 (2)長期金利の急上昇 がもたらす株価乱高下のリスクが浮上?

 2)2/23、NYダウ+15ドル高、31,537ドル
  ・長期金利上昇で割高感のあるハイテク株を中心に一時▲360ドル超の下落をしたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言「金融緩和の継続」姿勢を受け、金利上昇への懸念が和らぎ、小幅プラスに浮上した。

 3)2/24、NYダウ+424ドル高、31,961ドル
  ・パウエルFRB議長の下院での議会証言で金融緩和維持を強調したことを受け、リスクオンとなり買い優勢となる。(フィスコ)
  ・加えて、ワクチン普及で米経済が正常化に向かうとの期待から景気敏感株を中心に買われ大幅高となった。(日経新聞)
  ・なお、米10年国債利回りは1.371%と前日比+0.048%上昇している。

●2.米国のグロース株は、NYダウとは異なる弱含みの株価展開となっている点に注目したい

             月日 値動き  値動きの率 終値
 1)ナスダック総合指数 2/22 ▲341安 ▲2.46%安 13,533
             2/23 ▲ 67安 ▲0.50%安 13,533
             2/24 +132高 +0.99%高 13,597
 2)SOX指数       2/22 ▲121安 ▲3.77%安  3,102
    (半導体株指数) 2/23 ▲ 18安 ▲0.58%安  3,083
             2/24 + 99高 +3.24%高  3,183

●3.長期金利上昇で長期債が続落(日経新聞)

 1)米10年債利回りは2/24に1.389%に上昇した

 2)米国でワクチンが普及し、米景気回復が加速するとの見方で長期金利が上昇して、安全資産とされる米国債は売り優勢となる傾向に注意したい。

●4.米国株で過熱感を示唆する気になる事象の発生

 1)ゲームストップ株の乱高下
 2)銀先物の乱高下
 3)ビットコインの急騰から急落
 4)小型株ラッセル2000の急騰
 5)長期金利の急ピッチ上昇に伴いナスダック総合指数とSP500が2/22に下落
 6)SP500に影響力が高いテスラ株に上昇トレンド終了サイン点灯の三尊天井が形成

●5.テスラ株に株式チャートでは「売りサイン」が点灯(日経新聞)

 1)上場来高値を1/25の900ドルと上場来高値を付けた。2/22に▲8.5%安の714ドルと下落したため、株価チャートでは三尊天井を形成した。なお、2/23は▲15ドル安の698ドルと続落。三尊天井は、上昇トレンドが終了し、当面の株価調整を示唆するといわれる。

 2)さらに、下値支持線とされる50日移動平均線(2/22現在で769ドル)も明確に割った。

 3)テスラは2/8にビットコインを15億ドルの購入を発表したが、含み益は計上できず、評価損は損失計上をする必要があるため、利益下振れリスクを抱えたとして売り材料視された。株価は2/8終値から9営業日で▲17.2%下落した。

 4)なお、テスラ株はNYダウ2/24大幅高もあり、反発し前日比+43ドル高の742ドルに上昇した。

●6.バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ株式売買動向(保有有価証券報告書より)

 1)買い  ベライゾン     通信
       シェブロン     石油
       マーシュ      保険
 2)売り  JPモルガンチェー  銀行
       ウエルズ・ファーゴ 銀行
       バリック・ゴールド 金鉱
       ファイザー     医薬品
       アップル      ハイテク(一部の5,700万株を売却)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)2/22、上海総合指数▲53安、3,642
  ・5連騰と急ピッチで上昇した反動から、消費関連を中心に利益確定で売られた。ただ、世界でコロナ感染が落ち着きつつあり、中国の経済対策への期待感もあり、相場を支えた。(亜州リサーチ)

 2)2/23、上海総合指数▲6安、3,636
  ・金利上昇が懸念される流れとなった。
  ・不動産市場が活況を示す中、中国の住宅ローン金利も上昇に転じているが、大きく売り込む動きは見られない。(亜州リサーチ)

 3)2/24、上海総合指数▲72安、3,564
  ・金利高への警戒感がくすぶる流れとなる中、香港株式市場で「印花税」(証券取引時の印紙税)の引上げを嫌気し急落したことを受け、上海株式市場も3日連続安となった。(亜州リサーチ)
  ・グロース株(成長株)が売られ、銀行・保険株も下げを主導した。(亜州リサーチ)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)2/22、日経平均+138円高、30,156円
  ・先物高が日経平均を牽引し一時+430円超と上昇したが、(1)米金利上昇への警戒感と(2)米先物安値転換が重石となって、上げ幅を縮小。

 2)2/23、天皇誕生日で祝日のため休場

 3)2/24、日経平均▲484円安、29,671円
  ・米ナスダック総合指数が2/22に大幅安・2/23も続落、先物安を受け、下落して始まった。後場、日銀のETF購入による支援もなく、アジア株安もあり引けにかけてさらに売り込まれた。

●2.日経平均4万円説が株式市場に流布 ⇒ こういう報道が増えると過熱警戒か?

 1)株価上昇の要因
  (1)金融相場:不景気の時には利下げと金融量的緩和で余った資金が株式市場に流れる。株価収益率(PER)向上で株価が上がる。
  (2)業績相場:企業業績が改善し1株当たり利益(EPS)上昇により株価が上がる。

 2)株価上昇の流れ
  (1)2020年3月末~12月:金融相場で上昇   PER上昇・EPS低下
  (2)2021年1月~2月  :業績相場+金融相場で上昇 EPS上昇
 
 3)今後の予測
  (1)金融相場の収束へ一歩進展。 
   ・日銀ETF買入方針変更により、ETF購入を通じた資金供給と株式購入停止。
   ・市場金利上昇 ⇒ 債券価格下落による損失 ⇒ 株式売却と抱き合わせが起きる。 ⇒ 景気回復でさらなる利率上昇と株価弱含みが強まる。 
   ・企業業績回復に伴う金融緩和策(ゼロ金利・量的緩和)の停止傾向へ

  (2)つまり、株式市場は株価上昇政策の後退と、ワクチン接種の進行による、景気回復・企業業績回復で、金融政策の一部後退が見込まれ、株式市場にとって逆風となる素地ができつつある。こうした中、株式市場で「日経平均4万円説」が流れはじめたため、経験則的には警戒感を持って臨みたい。

  (3)いずれにしても、日本株式市場は米国株連動の動きとなる流れが強い。したがって、本日2/25は先物高が主導して株価反発を予想する。

●3.経産省は、脱炭素社会実現のため2兆円基金の企業支援運営方針案を示す(NHK)

●4.企業業績

 1)JR東海  2021年3月期純損失▲420億円増の▲2,340億円に下方修正(NHK)

●5.企業動向

 1)東芝       洋上風力発電の基幹設備で米GEと提携交渉(NHK)
 2)パンパシフィック 米高級スーパーを買収へ(読売新聞)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・9270 バリュエンス   株価調整中だが好業績予想。
 ・5019 出光興産     石油価格高騰で業績期待。
 ・5021 コスモエネルギー 石油価格高騰で業績期待。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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