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■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)1/18、「キング牧師の生誕日」の祝日で休場。
【前回は】相場展望1月18日号 『日経平均』の暴走は、外資系短期筋が買い煽った株価操作の贈り物か?
2)1/19、NYダウ+116ドル高、30,930ドル
・バイデン新政権による大型追加経済対策への期待が、景気敏感株やハイテク株を押し上げた。
3)1/20、NYダウ+257ドル高、31,188ドル
・バイデン氏が新大統領に就任し大型経済対策成立とコロナワクチン普及進展の観測が買いを誘った。
・ハイテク株の決算期待が高まり、相場上昇を牽引し、最高値更新した。(日経新聞)
●2.イエレン次期財務長官が1/19の指名承認公聴会で「追加の新型コロナ救済策で大きな行動を取る必要がある」との見解を示すと報じられた(モーニングスター)
1)イエレン氏、「世界は変わった」と、「超低金利下で債務残高が増えても金利負担は増加しないので大型経済対策案を」と上院財政委員会の指名承認公聴会で早期成立を訴えた。さらに、法人増税は急がないことを示した。
2)バイデン次期大統領はコロナ経済対策として1兆9,000億ドル(約197兆円)規模を発表していた。
3)共和党からは、「金利は現在低位にあるが変化する可能性がある。債務残高の規模は国内総生産から見ると『ぞっとする』」と付け加えられた。「借入コストはまるでゼロであるかの主張だが、正常化すれば金利は上昇する」と釘を刺した。(ブルームバーグより抜粋)
●3.バイデン次期大統領は、金融界に批判的なゲンスラー氏をSEC委員長起用見通し(ロイター)
1)ゲンスラー氏が証券取引委員会(SEC)委員長に指名する見通しで、金融界に厳しい規制を導入する可能性が高くなる。
●4.米自動車メーカー(GM、フォード等)は半導体不足解消で政府に支援要請(ブルームバーグより抜粋)
1)車載用半導体の不足で世界各地の自動車工場の操業停止を余儀なくされており、自動車生産の縮小が、米経済に悪影響を与えるとした。
2)米政府が、アジアの半導体メーカーに車載向けの生産増強を促すように求めた。
●5.企業業績
1)ゴールドマンS 10~12月期利益が倍増、トレーディング業務などが好調(ロイター)
●6.欧州関連
1)欧州中央銀行の調査では、ユーロ圏の銀行は融資基準を1~3月期も厳格化(ロイター)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)1/18、上海総合指数+29高、3,596
・外需低迷の影響を警戒も、大きく売り込む動きは見られない。(亜州リサーチ)
2)1/19、上海総合指数▲29安、3,566
・中国で新型コロナ感染者は増大が続き、昨年3月以来となる大規模な流行に直面し地合い悪化で下落した。(ロイター)
3)1/20、上海総合指数+16高、3,583
・中国政府の景気刺激策と、中国景気の持ち直しも改めて材料視された。(亜州リサーチ)
●2.中国半導体不足で電気自動車生産に10年にも及ぶ影響が出る可能性(ブルームバーグ)
1)中国では電気自動車(EV)に使用する半導体の大部分を輸入している。
2)中国企業は半導体製造に関する技術的ノウハウが足りない。
●3.中国GDPは、2020年実質GDP+2.3%増と世界主要国唯一のプラス成長(毎日新聞より抜粋)
1)中国国家統計局1/18発表した、2020年国内総生産(GDP)は新型コロナ感染の抑え込みにほぼ成功し、春以降は経済活動が復調した。
2)投資や輸出等の企業活動回復に比べ、個人消費は1968年以来52年ぶりに前年割れした。
●4.中国の所得格差は是正進まず、消費弱くアンバランスな回復を裏付け(ブルームバーグ)
1)中国では所得上位20%は、下位20%の10.2倍稼ぐ。米国では8.4倍、西欧諸国は5倍。中国はメキシコの10.2倍に近い。
2)中国の小売売上高は2020年▲3.9%減と、先進国より急激な落ち込み。
●5.中国当局はコロナ感染者7人確認し、北京・大興区で160万人対象に都市封鎖(AFP・時事)
1)大興区には、北京に2つある国際空港の1つがある。
2)中国全体で1/20のコロナ感染者は新たに103人が報告された。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)1/18、日経平均▲276円安、28,242円
・NYダウ下落と、30年ぶりの高値に上昇したことで、外資系短期筋を中心に利益確定売りが広がり一時▲400円超安まで下落した。
・だが、中国・上海総合指数の上昇が支えとなった
2)1/19、日経平均+391円高、28,633円
・イエレン次期財務長官への思惑でNYダウ先物の上昇が牽引し、薄商いの中、日経平均にインパクトが大きい値がさのコア銘柄に買い資金が集中した。(フィスコ)
3)1/20、日経平均▲110円安、28,523円
・米国株高を受けて買い先行したものの、先物にまとまった売りで下げに転換(モーニングスター)
●2.日経平均の値動きは数銘柄で説明できるという、短期筋の買い仕掛けによることが明白
1)インパクトが大きい値がさ銘柄は、ファーストリテイ、ソフトバンクG、東京エレク、アドバンテ、TDK、信越化、太陽誘電、ダイキン、第一三共、キッコーマンなど。
2)1/19の上昇は、上位2銘柄の寄与度は39.5%、上位7銘柄62.9%、上位10銘柄70%。1/20の下落は、上位4社の値動き(合計▲120円下落)で説明できる。
・ファーストリテイ▲67円、中外薬▲20円、ダイキン▲17円、第一三共▲16円。結果、多くの株式保有者にとって、日経平均の上昇幅に違和感を持っているのではないか。
3)買い仕掛けは、野村の買い仕掛けを中心に、外資系短期筋との日替わり連合による。ただ、先物手口からは野村の連日にわたる仕掛けが目立ち、外国人合計は僅かな買い増しにとどまっている。野村の買い仕掛けは海外短期筋の商品投資顧問(CTA)とヘッジファンドが絡んでいる模様。
4)短期筋は買い増しではなく、日経平均に絞って値がさ株数銘柄で買い仕掛けをして上昇したら、すぐさま売転換するという日計りに徹している。したがって、例えば2日間で下落しても1日で取り戻すパターンが続いている。これが有効なのは、現物市場・先物市場で出来高を伴わない閑散相場のため株価操作しやすいためと思われる。なお、コロナ第3波の悪影響は未織り込みである。
5)ちなみに、東証売買高の3割近いシェアを占める個人投資家(現金)は、10週間連続の売り越しである。例えば、1月第1週でも▲3,129億円の売り越しとなっている。
●3.政府は南鳥島EEZでのレアメタル採掘の商業化へ、2028年末までに技術確立(読売新聞より抜粋)
1)南鳥島周辺にはコバルトリッチクラストという鉱物塊が広く分布している。レアメタルの内、コバルトは国内消費量で88年分、ニッケルは12分が存在すると推定。2020年7月には、島南方の水深約900メートルで世界初の試験採掘に成功した。
2)コバルトは電気自動車(EV)のリチウムイオン電池などの原料となり、脱炭素社会に向け需要増が見込まれる。
3)なお、日本はコバルトを全量輸入に頼っており、武装勢力の対立が続くコンゴ民主共和国が世界の生産量(年間約12万トン)の半分を占めるなど、安定的な確保が課題となる。
●4.企業動向
1)出光興産 石炭鉱山事業への新規投資を停止、既存の権益は保有継続(ブルームバーグ)
2)日本製鉄 鉄鋼の需要回復で茨城・鹿嶋市の製鉄所高炉を再稼働(NHK)
昨年11月には千葉・君津製鉄所の高炉1基を再開している
3)ANA 2021年度は機材小型化と路線運休で国内線運航規模▲15%減へ(ロイター)
4)経団連 今年の春闘賃金引き上げに慎重方針(NHK)
5)東京ドーム 三井不動産によるTOB成立し、上場廃止へ(ロイター)
ドーム球場や商業施設など一帯の施設再整備へ
6)電通 本社ビルの売却を検討か、数千億円規模(共同通信)
7)JR西日本 新型コロナ感染を受け、1日1,000人規模の一時帰休実施(乗りもの)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・6141 DGM森精機 受注好調。
・5021 コスモエネ 原油高、洋上風力に期待。
・9062 日通 取扱高増加。
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