ヤリスクロスを購入するなら4WDをおススメする理由

2020年10月17日 09:05

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POWER UNIT「E-Four」による雪道走行イメージ(画像:トヨタ自動車の発表資料より)

POWER UNIT「E-Four」による雪道走行イメージ(画像:トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

  • TRAILモード

 ヤリスクロスは、RAV4とライズの中間的なモデルとして2020年9月に登場するや否や、大きな話題となっている。SUV人気が高まる国内において、絶妙な大きさであることに加え、最上級グレードでも300万円を切ることも人気に拍車をかけているわけだが、このヤリスクルスを購入するなら4WDをおススメする。

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 ヤリスクロスには、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの2種類が用意されているが、どちらにも4WDが用意されている。その機構は異なるがスタックした時の脱出する考え方は同じだ。

 どういうことかというと、クルマが雪道などでスタックした状態になると大抵は4輪のうち、駆動するタイヤのどれかが空転しているはずだ。例えば、4WDの場合で左側のタイヤが前後スタックすると、左側の前後のタイヤは空転して抜け出せなくなる。これは、デファレンシャルギアの特性がこうした状況を作り出している。

 クルマがコーナーを曲がる時には、外輪と内輪とではタイヤに回転差が生まれるわけだが、この回転差をつけてあげるのがデファレンシャルギアの役目だ。簡単に解説すると、デファレンシャルギアは、抵抗となる内輪より抵抗が少ない外輪に駆動が伝わるように組み立てられているのだ。

 そのため、雪道などでは抵抗がないタイヤには駆動が伝わり、抵抗があるアスファルト面側のタイヤには駆動が伝わらない。だから雪道でスタックしてしまうわけだが、このヤリスクロスは電子制御でこれらをコントロールしている。

 どうコントロールするのかというと、悪路を走っており空転や抵抗が少なくなったタイヤに駆動が伝わると、これをクルマが察知して空転しているタイヤにブレーキをかける。すると空転していないタイヤに駆動が伝わり脱出できる仕組みだ。

 これは、ヤリスハイブリッドのE-FourにはTRAILモードとして、そしてガソリンモデルのダイナミックトルクコントロール4WDにはMUD&SANDとROCK&DIRTにて選択できる。

 そしておススメなのはガソリンモデルのダイナミックコントロール4WDだ。MUD&SANDでは、エンジン回転を高めて悪路を元気よく走行できるが、慎重に走行しなければならない場合はROCK&DIRTを選択することで、エンジン回転も制御しながら空転するタイヤにブレーキをかけて悪路を安定して脱出できる。

 ヤリスクロスは、ランクルやRAV4といった本格4WDで培った技術が投入されているのは間違いなく、デザインだけの見掛け倒しのSUVとは違う。本格的に悪路も走行できるSUVとしてのポテンシャルを持っており、ヤリスクロスを選ぶなら4WDをおススメしたい。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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