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トヨタSUVの旗艦「ハリアー」フルモデルチェンジ TNGA「GA-K」プラットフォーム使用
「オフロードカーもどきスタイリング」の「クロスオーバーSUV」で1997年に初代モデルがデビューした、トヨタ・ハリアーのフルモデルチェンジだ。当時は「クロスオーバーSUV」の意味が分からず、スペックを見て「FFがあるの!?」と4輪駆動が当然であったオフロードカーのイメージを覆されて、びっくりしたことを覚えている。新しい4代目は、2020年6月発売予定とのことだ。
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トヨタ・ハリアーは、高級セダンのような作りの「都市型SUV」とも言われるジャンルだ。乗って見るとそのフィーリングは高級セダンそのもので、乗り心地は優雅だ。新型はTNGA「GA-K」プラットフォームを使用しており、トヨタの戦略の中に取り込まれる。
新型トヨタ・ハリアーのエクステリアデザインは、ボディサイズが全長×全幅×全高=4740×1855×1660mm、ホイールベースも2690mmで、日本国内では大柄ではあるが、クーペフォルムと前後デザインは横一線を強調することで精悍さを出している。好みの問題は別として、やはり「都市型」のイメージなのであろう。ボディ色は全7色で、ボディ全体のダイナミック感を強調する深みがある色彩を出そうとしている。
インテリアは、何度か採用するクルマが出ているが、馬の鞍(くら)をイメージしたようだ。曲線を基調とすると、メーターパネルの視認性などから有効なイメージであるため繰り返し使われてきた。ディテールにもこだわっており、繊細な配慮がなされている。インテリアカラーは、コントラストを抑えたブラウン、グレー、ブラックの3色配色としている。「調光パノラマルーフ」と称して「障子越し」のような柔らかい採光を得て、「上質な車内空間」を演出している。
トヨタの「GA-K」プラットフォームはエンジン横置きが前提で、「カムリ」や「RAV4」にも用いられている。これらの車種とどの様にして共用化することが出来ているのか、詳細を知りたいところだ。「GA-K」プラットフォームは高剛性化されており、低重心化にも成功している。前:マクファーソンストラット、後ろ:ダブルウイッシュボーンのサスペンションは、極微低速域でも吸収力の優れたセッティングとしており、走り出しの収束性を高めている。
この極微低速域でのセッティングは乗り心地を高め、日常使用の実用性を高めることが出来る。これは世界の流れでもあり、サスペンションに大きな入力があった時はしっかりと受け止めることとセットで、高速走行時の安定性も確保している。
このメカニズムについては、各社それぞれの仕組みを作っているが、ダブルショックアブソーバーで対処するとコスト高となり、高性能車で高価となってしまう。そこで、新世代のショックアブソーバーとして、トヨタが開発してきた油の性質だけで対応できる仕組みは、カローラ・スポーツなどにも採用されてきたが、新型ハリアーも、コスト面から考えてこの仕組みが使用されているだろうか?BMWは別の仕組みで対応しているようだ。
新型ハリアーに装備される「アクティブコーナリングアシスト」は、多くの車種に採用されるようになった仕組みで、アンダーが強く出てしまうトヨタ各車のコーナリング性能を素直なものにしてくれている。このシステムは、「パニックブレーキ」の際のスキッドコントロールとセットで調整されていることはもちろんであろう。最近のクルマは運転しているとはいってもゲーム機を操作しているようなもので、ますます「やることがない」クルマが当然となってきている。
パワーユニットには、自然吸気(NA)の2リッターガソリンエンジンと、2.5リッターNAガソリンエンジンにモーターを組み合わせたTHS IIハイブリッド(HV)が用意されている。「ダイナミックフォースエンジン」は4気筒直噴ユニットで、HVではないガソリン車では「ダイレクトシフトCVT」トランスミッションと組み合わされている。このCVTは発進用に1速歯車があり、CVT特有のタイムラグを解消している。
新型ハリアーの運転支援システムについても、バージョンアップしていることはもちろんである。インフォテインメントシステムなどは当然に進化しており、「つながるクルマ」としての性能は十分であろう。詳しいことは実車に試乗し、「時間をかけて」確かめることをお勧めする。
新型車では余りにも機能が多岐にわたるため、納車時の説明で「良く分かる」のはまだよいほうで、実際に乗り始めてから「自分が望む機能が足りない」と気づくことがないようにしたい。契約前に良く確かめることに注意しよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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