ファナック、今期2回目の業績下方修正 純利益は62%減 自動車向け需要が戻らず

2019年10月30日 11:55

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■前回予想に比べ売上高は3.8%減、純利益は4%減に

 ファナック(6954)は28日大引け後、2020年3月期第2四半期累計(2019年4月~9月)の連結決算を発表。同時に通期業績予想の下方修正を行った。下方修正は今期に入って2度目だ。通期予測は、売上高が前回の5,242億円から3.8%減の5,045億円(前期比20.6%減)、営業利益が713億円から3.1%減の691億円(同57.7%減)、経常利益が810億円から0.6%減の805億円(同56.1%減)、純利益が603億円から4%減の579億円(同62.4%減)とした。

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 2Q累計決算は、売上高が前年同期比24.4%減の2,609億5,300万円、営業利益は同50.2%減の490億2,400万円、経常利益は同49%減の570億9,000万円、純利益が同50.8%減の401億8,500万円だった。売上高営業利益率は前年同期の28.5%から9.7ポイント悪化の18.8%と業績悪化が一目瞭然だ。

■中国向け設備投資が落ち込み想定の受注を下回る

 1Q決算で下方修正を発表したファナックだが、2Q決算で更なる下方修正を発表することとなった。要因は自動車製造向けの設備投資需要の低下だ。ここ数年ファナックの業績を牽引してきたのがNC装置やロボドリルなど、スマートフォン向けの産業機械であったが、米中貿易摩擦の長期化の影響で中国企業の投資姿勢に影を落としている。

 これまでスマートフォンや自動車の世界工場として強い存在感を放ってきた中国企業が、ここに来て投資へ慎重になってきているのだ。そのため全体売上の19%を中国で稼いでいるファナックも少なからず影響を受ける結果となった。2Qの受注高は前年同期比16%減少し、主力のNC装置が35%減、ロボマシンが31%減との受注高を落としていることからも見て取れる。

■目先は厳しい環境が続くもロボット事業に光明を見出す

 28日の決算発表で山口賢治社長は「受注が更に大きく落ち込むことはない」と発表しているものの、以前厳しい環境であることは間違いない。とは言え暗いニュースばかりではないのが本音だ。それはロボット事業である。2Qの受注高は北米の自動車関連向けに底堅い需要を獲得しており、前年同期比で3%増加した。

 人手不足や業務効率化を図るために、自動車メーカー向けに産業用多関節ロボットへの期待は増しており、顕在化していない需要も控えている状況だ。今後のロボット需要の高まりに連れて業績を回復させる可能性を秘めている点は、ファナックにとっても光明であると言えよう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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