JR東海「ひだ」「南紀」に導入新型ハイブリッド車、名称は「HC85系」に決定

2019年10月29日 17:58

印刷

発表されたシンボルマーク。(画像: JR東海の発表資料より)

発表されたシンボルマーク。(画像: JR東海の発表資料より)[写真拡大]

●JR東海初のハイブリッド気動車

 JR東海は28日、キハ85系で運行されている高山方面特急「ひだ」と紀伊勝浦方面の「南紀」へ2022年度をめど投入する新型車両について、名称を「HC85系」に決定したことを発表。シンボルマークも合わせて公開した。

【こちらも】JR東海がハイブリッド方式の特急車両を新製へ、性能は大幅に向上

 「HC85系」は、JR東海初のハイブリッド機能を搭載した列車となり、「HC」は“Hybrid Car”を表しているという。2019年12月に試験車両が完成し、その後1年間をかけて、基本性能試験や耐久試験を実施したのち、結果を元にして量産車が登場する予定である。

●全国的な流れに乗ったハイブリッド気動車

 現在運転されているキハ85は導入当時、イギリスのカミンズエンジンを搭載した高性能気動車としてデビューした。今回投入される置き換えの気動車もハイブリッド機能という最新能力を搭載した車体となる。JR東海ではこれまでハイブリッド気動車を導入したことはなく、試験期間においてさまざまなチェックが行われる。なお、JR東日本では既にハイブリッドシステムを採用している気動車が運用されている。

●最高速度は120km/時を予定

 現在、日本国内で運転されているハイブリッド気動車は、最高速度が100km/時のものが多く、JR東日本で既に営業運転をしているHB-E300系やGV-E400系も、最高速度が100km/時である。

 つまり、ローカル線では運用することができても、高速走行が求められる本線では、最高速度が遅いためダイヤ上の制約になるデメリットがあった。そこで、JR東海が導入するHC85系では、本線の運転も見込まれていることから120km/時での走行が可能な車両を開発する。

●シンボルマークもスピード感を演出

 車体デザインには紅葉の黄色と南紀の海の青色が採用されており、シンボルマークは、車両の外観の帯に合わせて3本の流線型状となり、スピード感を表現している。

 車内も快適性の向上を掲げており、これまでの特急列車に導入されていた座席よりも快適な座席が配置される予定である。2019年12月から試験車両が東海エリアを走り、量産化に向けての準備が始まる。(記事:speedbird・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事