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PHEVスーパーカー「フェラーリ・SF90ストラダーレ」 システム最高1000馬力の登場
「フェラーリ SF90ストラダーレ」(画像: フェラーリの発表資料より)[写真拡大]
あのフェラーリにPHEVの登場だ。これだけでもニュースになるが、「スーパーカーブーム」と呼ばれた時代を知るものとしては、「高回転型エンジン」で成り立ってきたドライブテクニックを根こそぎ変える時代となったことをひしひしと感じる。かつてル・マン24時間耐久レースでは、ポルシェとフェラーリが競い合ってきた。時代は流れ、トヨタとポルシェが競い合い、今はEVの時代となってポルシェも去った。
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そのトヨタとポルシェの戦いの中で、回生ブレーキと電動モーターを装備したHVが、ガソリンエンジンカーに対して絶対的に速さを見せつけるようになった。それは、コーナーからの立ち上がりだ。今や、ターボエンジンとなって低速トルクの強さがラップタイムを上げ、マイルドハイブリッドと言える低回転でのモーターのアシストが立ち上がりの速さを決めている。
もう高回転馬力で争うのではなく、低回転トルクを重視している時代だ。ロングストロークエンジン、ターボチャージャー、電動モーターのアシストにより、アクセルを踏むだけで速いスーパーカーが出来上がってくる。コーナー立ち上がりで、エンジンを高回転に保つため、難しいシフトワークを必要とする時代は去った。
そして2019年5月29日、フェラーリは初のPHEV「SF90ストラダーレ」を発表した。パワートレインは最高出力780psの4リッターV8ツインターボ、それに、前輪それぞれを駆動する電動モーター2基とMDに配置されたエンジンをサポートする3基目のモーターを組み合わせてAWDとなる。システム最高出力は1000馬力に達する。モーターだけの最高出力は220馬力となる。
エンジンはミッドシップに搭載され、後輪を駆動する。ミッションは、8段DCTとなるようだ。最高速度340km/h、0-100km/h加速2.5秒、0-200km/h加速6.7秒と、このまんまレーシングカーの性能だ。しかし、フェラーリはGTであり、実用車だ。「eドライブ」モードは最大25kmの航続距離で、最高速度は135km/hまでとなる。しかもPHEVであり、モーター駆動を用いた高いパーフォーマンスを示している。この現代「スーパーカー」は、あの「甲高いフェラーリサウンド」を示すのであろうか?
「SF90ストラダーレ」には、標準仕様車とスポーツ仕様「Assetto Fiorano(アセットフィオラーノ)」の2つのバージョンが用意されている。日産・GT-Rの標準車とニスモ仕様のように、アセットフィオラーノには大幅な軽量パーツが用意されている。一般公道では全く必要のない装備だが、街乗りもできるほど運転しやすいことが考えられる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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