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関空、25年大阪万博に備え防災強化 ターミナル改修費用に1千億円投資へ
関西国際空港の第1ターミナル (c) 123rf[写真拡大]
2月7日付時事通信社は、関西国際空港を運営する関西エアポートが、防災対策や第1ターミナルの改修費用として1,000億円の追加投資を検討していると伝えている。同社の山谷佳之社長が報道機関のインタビューに応じて明らかにしたものだ。
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山谷社長は、25年大阪万博に向け関空の機能を強化する為に、投資を大幅に増額し国際線の設備拡充などを進めると語っている。
関空といえば、昨年9月の台風21号の高波による被害が記憶に新しい。検証委員会は、この高波は地盤沈下で低くなっていた東側護岸から流入したものとの見解を示している。山谷社長によれば、今回の改修計画にはこの護岸や滑走路の「かさ上げ」工事も視野に入れているという。
第1ターミナルビルの改修工事については、1994年(平成6年)の関空開港以来初の大規模工事となる。第1ターミナルの現在の受入れ可能旅客数は年間2,500万人であるが、これを1,000万人増やして3,500万人にする計画とのことである。同ビルの2階国内線や4階国際線エリアの区分見直しなどを含め大改修工事になる見込みという。これにより、格安航空会社(LCC)専用の第2ターミナルを含み、現在の約1.3倍となる年間4,335万人の受け入れが可能になるとしている。
改修工事は2018年度中に着手し、5年をかけて国際線エリアの改修を行う。なお、第2旅客ターミナル部分においては今後も拡張できる余地があるため、更に数百万人の旅客処理が可能になるとしている。
最近のインバウンド旅客の伸びは決して一過性ではない。東南アジアを中心とした訪日客数は今後も益々伸びて行くものと予想される。その為今回の改修工事はこうした急速な需要の伸びに対して、追い付かなくなることも考えられる。
25年大阪万博に向けての計画はもちろん重要ではあるが、それ以降の需要動向などをしっかりと見据えることが大事だ。今回の追加投資による改修工事を機に、関空には更なる先を見越した万全な環境整備に期待したい。(記事:kan1713・記事一覧を見る)
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