マツモトキヨシがモバイル決済「アリペイ」導入 訪日中国人に向け

2018年10月31日 20:51

印刷

 NTTコミュニケーションズは30日、マツモトキヨシに中国人向けモバイル決済サービス「アリペイ」を導入すると発表した。一部を除く全国の店舗にて、訪日中国人をはじめとするインバウンド需要に応える。

【こちらも】阪急阪神HD、ショッピングセンターやホテルで「アリペイ」などモバイル決済導入

 アリペイはアリババグループの関連会社が提供する世界でも最大規模のモバイル及びオンライン決済プラットフォームだ。中国内のアクティブユーザー数は7億人以上とされ、中国国外でも中国人向けサービスを40の国・地域で提供している。

 日本においても経済産業省が「キャッシュレス・ビジョン」を打ち出すなど、キャッシュレス導入を進める動きは加速している。かねてよりモバイル決済の導入支援を行ってきたNTTコミュニケーションズは今回のアリペイ導入で、すでに現金を用いない生活スタイルが確立している中国人に対し、サービスのさらなる向上を図る。

 来日する外国人の数は増加しており、2017年には2,869万人に達した。なかでも中国から訪れる人は735万人と、全体の約26%を占める。さらに観光庁による2017年の訪日外国人消費動向調査によると、中国人の日本における旅行消費額は全体の38.4%とどの国にも増して高い。

 旅行消費の内訳からは、中国人の高い購買意欲もみえてくる。旅行消費額の費目のうち、中国人が買い物に使った額は全体の51.8%に上り、これは全国籍・地域のなかでトップである。

 加えて観光・レジャー目的で来日した中国人における土産品の購入率は、「菓子類」が70.9%、「その他食料品・飲料・酒・たばこ」が60.7%、「化粧品・香水」が82.8%、「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」が76.2%だ。マツモトキヨシのようなドラッグストアに用意されている商品において、その購入率は高い。

 また国籍別ではないが、訪日外国人にとってドラッグストアはコンビニエンスストア、空港の免税店に次いで利用される買い物場所となっている。これらの調査結果から、マツモトキヨシへのアリペイ導入による効果は大きいと見込まれる。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事