EVラッシュ、各メーカー次々に生産計画を発表 日産EVも加速

2018年9月30日 11:33

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日産による電動化の未来を示すインフィニティのコンセプトカー「プロトタイプ10」。(画像: 日産自動車)

日産による電動化の未来を示すインフィニティのコンセプトカー「プロトタイプ10」。(画像: 日産自動車)[写真拡大]

 日産自動車は、高級ブランドとして電気自動車EVを生産すると発表した。日産には、すでにEVリーフがあるが、小型車で手ごろな価格で実用的な車だ。これからは、高級車も生産していく計画を発表した。電動化の流れは日産にとってチャンスが到来した形だが、HVを飛ばしていた日産は、社会が純粋EVに移行することは願ってもないことだろう。しかし、現実には、早急にEV化が進むとも思えない状況もあるので、「eパワー」など、レンジエクステンダーHVを送り込むなど対応の遅れがあった。これからは中国市場の重要性が増すはずで、日産にとって巻き返しのチャンスだ。

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 モデル3の生産でテスラがもたついている間に、世界の名だたるメーカーは相次いでEV計画を発表、すでに開発から設備投資に向かっている。その中で、日産は今後、高級ブランド「インフィニティ」としてグローバル展開をする模様だ。

 ドイツメーカーは相次いで生産に取り掛かっており、アウディは、EV車の名前を「eトロン」とした。ポルシェは、既に純EV車「ミッションE」の市販モデルを「タイカン」と命名している。メルセデス・ベンツは、純EV「EQC」をスウェーデン・ストックホルムで公開した。英アストンマーティンは、純EVの車名を「ラピードE」と発表。こうなると、日本のマツダ、スバルを含めてトヨタグループの動きが気になるところだ。

 現在のところのEVの実力としては、日産・リーフを見ればわかるように、バッテリーの性能が今一つだ。トヨタは、現在のリチウムイオン電池ではなく、全固体電池の実用化を待っているようにも感じる。それは、リーフの実用性を見てみると、1回の充電で航続距離、実質300kmが怪しい状況で、さらに急速充電80%に30分以上かかることを考えると、実用としては限られるからだ。また、バッテリー劣化の問題から中古車市場の確立が難しく、普及のネックとなる模様だ。

 注目は、2、3年後、各メーカーがEVを量産して発売し始めると、テスラの優位性が保てるのかだ。先行した強みを発揮して、中国などで大きなシェアを占めてしまえば、自動車メーカーとしての地位を確立できるだろう。しかし、もう一段、問題が出ると考えるのが順当かもしれない。会社経営、品質保証体制など、正常に長期的展望が開けるのかが問題だ。それは創業者イーロン・マスク氏の動向次第と言えるだろう。

 さて、本格的EV時代がやってくるのか?は、電池の開発にかかっていると考える。日産は、電池の開発を諦めてサプライヤーから仕入れることとしているが、全世界の電池の覇権争いはどのようになっていくのだろうか?注視していきたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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