大阪湾岸地域関連企業の台風21号による影響が明らかに

2018年9月6日 21:03

印刷

 4日に近畿地方を縦断した台風21号による影響が各社から続々と発表されている。5日に続き6日にも、大阪湾岸地域にて操業している上場企業数社から適時開示がなされた。

 各社の開示内容によると設備や倉庫などの一部損傷が認められている。また、操業再開まで数日を要する企業もみられている。その他、関西国際空港に関連した企業では、全容解明中の段階であるため想定外の被害になっている可能性はまだ否めない。6日時点で発表されている各社の内容の概略は以下の通りである。

【7004】日立造船
 堺工場・築港工場では生産設備にて建屋に一部損壊があるものの生産設備に大きな被害は見られない。

【4078】堺化学工業
 生産設備にて工場の屋根や壁、配管設備に損傷が認められていたが、点検・整備の上5日の夜から操業を再開している。物流に関しては交通網の乱れがあり一部遅れている。

【9025】鴻池運輸
 関西空港で運営しているグループ会社に物的損傷がある。全容については調査中のため不明とのこと。

【9351】東洋埠頭
 大阪地区の事業拠点にて一部の倉庫と事務所が被災している。停電は復旧している。

【7897】ホクシン
 工場建屋及び設備の一部が破損している。10日の再稼働を目指して復旧作業を遂行している。製品倉庫も被災したため、納期遅延が発生している。

【5952】アマテイ
 本社および本社工場にて停電被害ならびに工場建屋と倉庫の損傷が見られた。また、水漏れによる仕掛品、製品の一部に被害が及んだ。6日時点で全面復旧している。

【5451】淀川製鋼所
 大阪工場にて建物の破損や工場内に保管していた製品の一部に水漏れの被害が認められた。送電設備も交渉したため一部の生産設備の操業を停止している。泉大津工場では建物や附属構築物に被害が発生しているものの、6日より操業を再開している。また物流の混乱により商品の出荷が遅れているとのこと。

【3045】カワサキ
 本社倉庫及び賃貸倉庫・営業倉庫の屋根の一部が破損している。停電も見られたが5日に復旧し通常通り操業している。

 多くの企業では操業再開のめどがたっている。高速道路網はほぼ復旧しているが関西国際空港の復旧はまだ見通しが立たず、物流面に大きな影響を及ぼす可能性を残している。(記事:福井廉太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事