11月の米新車販売、VW24.7%減。顧客離れ鮮明化

2015年12月7日 15:11

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記事提供元:エコノミックニュース

フォルクスワーゲンがこうして前年同月を下回るのは、排ガス問題が発覚した9月以降初めてのことで、同問題により企業イメージを著しく落としたフォルクスワーゲンに対して、アメリカのドライバーが「NO」を突きつけている現状が浮き彫りになってきた。

フォルクスワーゲンがこうして前年同月を下回るのは、排ガス問題が発覚した9月以降初めてのことで、同問題により企業イメージを著しく落としたフォルクスワーゲンに対して、アメリカのドライバーが「NO」を突きつけている現状が浮き彫りになってきた。[写真拡大]

 1日に米調査会社のオートデータが11月のアメリカの新車販売台数を発表した。それによれば、景気回復の追い風やガソリン安などが影響して、11月としては2001年以来の高水準となる前年同月比1.4%増の131万9913台という結果であった。

 大手自動車メーカーのうち、ゼネラル・モーターズが同1.5%増の22万9296台、フォード・モーターが同0.3%増の18万9517台、FCAが同3.1%増の17万2901台とそれぞれ前年同月を上回った。そうして各メーカーが販売台数を伸ばすなか、注目されたのは北米の排ガス規制不正逃れ問題の影響で業績を落としているドイツのフォルクスワーゲンの動向だ。

 フォルクスワーゲンは11月の新車販売台数は同24.7%減の2万3882台であり、11月としては5年ぶりとなる低水準であった。また、フォルクスワーゲンがこうして前年同月を下回るのは、排ガス問題が発覚した9月以降初めてのことで、同問題により企業イメージを著しく落としたフォルクスワーゲンに対して、アメリカのドライバーが「NO」を突きつけている現状が浮き彫りになってきた。

 各メーカーの販売台数のトップ5は、ゼネラル・モーターズが1位、日本のトヨタ自動車<7203>が2位で同3.4%増の18万9517台、フォード・モーターが3位、FCAが4位、日本のホンダ<7267>が5位で同5.2%減の11万5441台という結果で、フォルクスワーゲンは12位であった。トヨタ自動車、ホンダ以外の国内メーカーの順位は、日産自動車<7201>が6位で同3.8%増の10万7083台、富士重工業<7270>が8位で同1.8%増の4万6070台、マツダ<7261>が13位で同7.0%増の2万2732台、三菱自動車<7211>が16位で同3.6%増の6772台であった。

 他のメーカーの販売台数と比較した時、フォルクスワーゲンの同24.7%減という落ち込みは最も大きい。排ガス問題の発覚以来、同社は対象のディーゼル車を購入したドライバーに、約12万円相当の金券を配るなどの対応を行っているが、今回の結果をみる限り、焼け石に水の状態だ。今後もフォルクスワーゲンの顧客離れは進行するものとみられ、このままいけば通年ベースでも3年連続で前年を下回る可能性は濃厚だ。(編集担当:滝川幸平)

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