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三井住友信託と横浜銀が業務提携で同意
収益拡大を図るため、その業界の大手同士が手を結ぶことは珍しくなくなった。景気の先行きが見通せない不安定な時代である今は、単体で業績を伸ばそうとするよりも、そうして他の企業と手を結んだ方がリスクを減らすことができるのは確かだろう。つまりどの業界の企業であれ、ただ漫然と事業を行っているだけでは生き残ることはできない、今はそうした厳しい時代であるというわけだ。
そして27日、三井住友信託銀行と地方銀行大手である横浜銀行<8332>が、業務提携に向けて交渉を始めるとの発表を行った。両銀行は資産運用の分野で協力し、収益拡大を図りたい考えだ。
三井住友信託銀行と横浜銀行によれば、投資信託の商品開発や資産運用を行う会社を共同で設立し、業務提携を検討することで合意。これから、具体的な内容を検討していくとのこと。また両銀行は新たな提携先も検討するとしており、他の地方銀行にも提携を呼びかけているという。
地方経済の伸び悩みや少子高齢化などにより業績悪化に苦しむ地方銀行では今、再編の動きが起きている。今回も地方銀行最大手である横浜銀行の、生き残りをかけた大きな施策の一つであることは間違いない。そして三井住友信託銀行としては、横浜銀行が持つ神奈川県を中心とした販売網を活かすことで、投資信託の販売を増加させることができるというメリットがある。
低金利が続き貸し出しによる収益が伸び悩んでいる金融業界では、どうやって収益を伸ばすかが大きな課題となっている。横浜銀行の2014年3月期の預金残高は11.8兆円と地方銀行トップではあるものの、低金利により貸出金利回りは前期比0.11ポイントダウンの1.48%である。このため、ここのところ高まりをみせている個人による資産運用向けの商品などを充実させて、新たな収益源としたい考えだ。
高まりをみせつつある個人資産運用のニーズをどこまで取り込めるか、それが今回の業務提携の成功の鍵を握っている。新たなどの銀行が提携先として加わるのかも含めて、これからの動きに注目したい。(編集担当:滝川幸平)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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