ルネサス、生産部門再編に伴い早期退職者を募集

2014年2月22日 16:58

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記事提供元:エコノミックニュース

 19日、大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクス<6723>は、生産効率を高めるために2つの子会社を新設し、今年の4月1日付でそれらの子会社に生産部門を集約するとの再編策を発表。またそうした再編に伴い、早期退職優遇制度を実施するとの発表も行った。早期退職優遇制度の対象者は生産部門の再編の影響が及ぶ約1万人であり、募集人員の数は定めず、無制限としている。

 こうした再編により、ルネサスエレクトロニクス本体から約3000人、子会社に勤務する約7000人、合計約1万人が新会社に転籍することとなる。昨年の9月に産業革新機構などから合わせて1500億円の出資を受けるなど、経営再建中であるルネサスエレクトロニクスは今回の再編により、人員削減や給与カットなどの構造改革をさらに推し進めたい考えがあるようだ。

 これまでの賃金体系は本社とそれぞれの子会社で異なっていたが、今回の再編実施に伴い統一される。そしてそれぞれの工場の事務や設計など、共通する部門を新設される2つの子会社に集約することにより、経営のスリム化を図る。

 新設されるのは、前工程製造子会社の「ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング」(茨城県ひたちなか市)と、後工程製造子会社の「ルネサス セミコンダクタ パッケージ&テストソリューションズ」(群馬県高崎市)の2つの子会社であり、3月末に売却が決定している鶴岡工場を除く国内の13工場はすべて、これら2社の傘下に入ることとなる。これにより従業員約1万人が新会社に転籍することとなり、そのうち約1000人が勤務地の変更を伴う異動が発生するため、遠方に異動できない人などを対象に早期退職を募ることを決定した。

 この早期退職優遇制度に関してルネサスエレクトロニクスは、「拠点異動困難者および本施策に沿えないと考える方の退職や再就職の支援などが目的」としており、その募集人員については「特に定めない」としている。募集期間は14年2月28日から3月7日としており、退職日は3月31日を予定している。(編集担当:滝川幸平)

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