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200万円の「津波避難用救命カプセル」日本上陸 その性能は?
アメリカのサバイバル・カプセル社が、数年にわたって開発してきた「津波避難用救命カプセル」が満を持して日本でも発売となるようだ。まずは2人乗りモデルを2万ドル(約200万円)で販売する。個人向けとしては値段が張るため、地元との繋がりを活かして政府や団体、学校、病院などを中心に顧客を獲得していくねらいだという。また部品を日本へ輸出し、国内3ヶ所で組み立てることで地元との関係強化を図る見込みだ。
【津波カプセルの開発ストーリー】
2004年のスマトラ島沖地震で多くの人々が津波の犠牲になったことから、サバイバル・カプセル社のCEOでボーイングの元エンジニアであるジュリアン・シャープ氏が、避難用の救命装置の開発を考え始めたという。彼が思いついたのは、この津波カプセルだった。仲間を集め、2011年にアメリカ航空宇宙局(NASA)のコンテストに応募し、350の応募の中から第9位に選ばれたという。
同年に東日本大震災が起こったことから、製品化を急ぎ数々の安全性テストを行った後に発売へといたったようだ。日本語サイト(tsunami-capsule.com)も立ち上げ3月には販売開始、4月にはシャープ氏を含むチームが来日し、本格的な営業活動を行う予定だと情報サイト「mynorthwest.com」は報じている。
【特徴】
アメリカでは最大10人乗りのカプセルが用意されているようだが、日本ではまず2人乗りから販売していく方針だ。カプセルは地面につながれており、津波の際にはロープが伸びて水面に浮かぶため、沖に流されることなく救助を待てるという。衝撃を最小限に抑えるという球状のカプセルは火災にも備えた丈夫な作りとなっている。カプセルには最大60分の酸素カプセル2本の他、サバイバルキット、セーフティライト、NTTドコモの回線を利用した位置追跡サービスの端末などが設置されている。
【日本市場を開拓できるか】
日本では既に津波避難用のカプセルが販売されており、東日本大震災の後は特に売れ行きが順調のようだ。価格帯としては4人乗りで50万円強、6人乗りで80万円前後のものもある。サバイバル・カプセル社が日本市場に導入しようとしているものと比べると半額以下だ。同社は、まずは政府や団体などをターゲットにアプローチし、問い合わせが多いという10人乗りの販売も視野に入れているという。
シャープ氏は情報サイト「the grio」の取材の中で、135ヶ国が津波の影響を受ける地域にあるため、世界的な市場のポテンシャルは大きいとしている。日本で成功すれば世界でも成功できると期待を述べている。また、津波カプセルにとどまることなく、今後も様々な救命製品を開発していくと意気込みを語っている。
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