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積水ハウスの「住ムフムラボ」来場者数15万人突破から見えてくるもの
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」との協業の「対話のある家」のエントランス[写真拡大]
最近、積水ハウス<1928>の国内での新しい取り組みが、ひとつの実を結んだ。積水ハウスが16日、同社が運営する「住ムフムラボ」の来場者数が開設7カ月で年間来場目標者数15万人を突破したことを発表した。
この施設は「住むコトは生きるコトそのもの」であるべきだというコンセプトのもとに、「グランドフロント大阪」ナレッジキャピタルに4月26日にオープンした、情報発信拠点と「共創」による研究開発拠点を兼ねたものだ。
情報発信拠点としては、来場者が「住む」ことに興味を持つためのイベントや、暮らしや住まいについて学べるセミナーやワークショップを実施している。こういった催しは、この7カ月で100日以上開催され、参加者も約5,000人を超え、好評を博している。
その中でも特に筆者が興味深い試みだと考えるのは、同社と「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(DID)との革新的なコラボレーションだ。DIDは日常生活の多様なシーンを暗闇空間で、聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って体験するワークショップのこと。
このDIDは「対話のある家」という名称で、暗闇の「家」に6名以下のグループで入り、「暗闇のエキスパート」である視覚障害者のアテンドのサポートによって、参加者が「家族」となり「家」という空間の中で様々な生活シーンを疑似体験するもの。
その過程で視覚を排除した感覚の可能性と快適さの気付きを得ながら、コミュニケーションの重要性や人の温かさを再発見できる。このDIDはこれまでに約3,500人が体験しており、参加者からは高い評価を得ている。
研究開発拠点としての「住ムフムラボ」の主な活動として、消費者との「共創」による研究を推進するために、「住ムフム研究メンバー」という制度を設けていることだ。
現在、一般の研究メンバーが、実に4000名もいるという。多数の研究ワークショップを行っているが、たとえば、ユニバーサル・デザイン(UD)ワークショップでは、研究メンバーから被験者を募集し、玄関ベンチ収納や安全な引き戸の把手などのアイテムを試作して、UDの視点から評価してもらったという。特筆すべきは、ワークショップ終了時のアンケートで「次回も参加してみたいですか」という問いに、何と100%が「はい」と答えていることだろう。これだけの人気なので、ワークショップへの参加は抽選だという。
年間来場目標者数をほぼ半分の期間に近い、7カ月で達成した「住ムフムラボ」。「住むコトは生きるコトそのもの」であるべきだというコンセプトが、来場者の心にストレートに入っていったのは間違いないだろう。また、コンセプト以外にも「住ムフムラボ」の気軽に行けるロケーションであったり、来場者が、受け身ではなく、能動的に「研究」に参加できて、そこからの多くの気付きを得ることができたからだろう。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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