衆院選後の日本株市場と半導体セクターの行方 政策運営と企業業績の関係は?

2026年2月9日 13:41

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 衆議院選挙は自民党が圧勝したことで、これまでの自民党政権の政策の流れは維持される。日本株市場では、選挙結果そのものよりも、今後どの分野に政策の重点が置かれ、それが企業業績にどう反映されていくかに関心が移りつつある。

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 中でも注目されるのが半導体分野だ。日本政府は近年、半導体やAIを経済安全保障上の重要分野と位置づけ、研究開発支援や国内投資への補助を進めてきた。また経済産業省も2030年度までに官民合わせて50兆円規模の投資を誘発する目標を掲げている。

 今回の選挙結果を受けて、こうした成長投資の方針は維持されるとの見方が市場で広がっている。市場では政策の方向性そのものよりも、実行のスピードや具体策の中身が今後の評価軸になりつつある。

 こうした政策環境の下で、半導体関連企業の業績にも具体的な動きが見られる。半導体製造装置大手の東京エレクトロンは、生成AI向け半導体の需要拡大を背景に、2026年3月期の売上高を2兆4,100億円(前期比1.3%増)、営業利益を5,930億円(同1.2%増)と見込んでいる。先端分野向け投資の底堅さが、業績を安定的に支える構図が続いている。

 洗浄装置に強みを持つSCREENホールディングスは、足元では半導体市況の調整を受けて減収減益となったものの、会社側は業績が底打ちし、今後は回復局面に向かうとの認識を示している。

 また半導体検査装置を手がけるアドバンテストは、生成AI向け半導体の需要増を追い風に、直近決算で売上高・利益ともに大きく伸長した。

 世界的な半導体需要を見ると、データセンターや生成AI向けは引き続き堅調である一方、パソコンやスマートフォンといった分野の回復は緩やかにとどまっている。このため、半導体関連株全体が一様に上昇するというよりも、企業ごとの事業内容や業績動向によって評価が分かれやすい局面といえる。

 もっとも、株価の短期的な動きは国内政治よりも、米国の金利動向や為替相場の影響を受けやすい。円安は輸出比率の高い半導体関連企業に追い風となる一方、海外市場が調整局面に入れば、株価が大きく振れる可能性もある。

 衆院選は日本株市場にとって一つの節目ではあるが、それだけで株価の方向性が決まるわけではない。政策の継続性、世界的な半導体需要、そして企業ごとの業績動向という三つの視点を押さえることで、衆院選後の日本株市場と半導体セクターの行方は、より多角的に捉えられるだろう。(記事:林田孝治・記事一覧を見る

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