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ビットコイン急落で懸念される悪い兆候
●ビットコインが急落!9万ドル割れ!
仮想通貨(暗号資産)ビットコインは11月18日、7カ月ぶりに9万ドル(約1400万円)を割り込むなど、急落している。
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10月6日に史上最高値12万4000ドル(約1822万円)を付けたが、わずか1カ月半で約30%下落している。
ブラックロックのビットコインETFも、18日に5億ドル超流出した。
上昇に対する懸念と米FRBによる利下げを巡って、市場が神経質になっている。
長く続いたビットコインの上昇相場は終わるのだろうか、そして、相場全体にもどのような影響を与えるのだろうか?
●ビットコイン急落の原因は?
FRBによる12月の利下げを巡り、慌ただしい動きが続いている。
政府機関閉鎖により発表が延期されていた9月の雇用統計のデータが好調だったことを受けて、12月の利下げは遠のいたと見られている。
そもそも10月の最高値以降、ビットコインは勢いが急落していた。
トランプ米大統領による中国への追加関税の発表により、190億ドル以上のデリバティブポジションが清算された。
仮想通貨取引所MEXCには、SNSをきっかけに大口アカウントの口座凍結疑惑が浮上しており、企業や組織などの中央の管理者がサービスを提供するCeFi(中央集権型金融)全体への信頼度が低下した。
DeFi(分散型金融)のBalancerも、外部からのハッキングにより1億2000万ドル(約190億円)の仮想通貨が流出するなど、DeFiへの信頼度も低下する事態となった。
仮想通貨全体への信頼度が下がったことも、急落の原因と見られる。
●心配される株式市場への波及
ビットコインの急落が、株式場に対する重大な懸念材料と受け取る市場関係者は少なくない。
なぜならS&P500がピークアウトする6~8週間前に、ビットコインが急落するという兆候があるからだ。
2017年~2018年、2021年~2022年といずれも年後半から年明けにかけてその傾向が見られる。
今回は利益確定売りというより、ビットコインのシステムへの不安が売りに繋がっているという見方もある。
利下げが見送られたとしても、エヌビディアの決算が予想を上回ったことからAI・ハイテク株ブームの継続がその不安を打ち消す、という期待もある。
ドイツ銀行はビットコインの急落を「市場構造の脆弱性」と指摘しており、「試金石に立った」と評価している。ビットコインも株式市場も正念場と言えるかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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