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新NISA利用者の約9割が運用プラスも、短期売買に伴うリスク要因

新NISA、短期売買に潜むリスク。金融教育受講7%の現状と課題[写真拡大]
今回のニュースのポイント
・利用者の87.2%が運用プラスも、市場変動への対応が課題: QUICKの2025年調査によれば、新NISA利用者の約9割がプラスの運用成績を収めています。一方で同調査では「リスクが高い」との印象を持つ層も3割を超えており、相場急落時に売却行動に走るリスク要因が専門家から指摘されています。
・成長投資枠では「日本個別株」がおよそ5割: 成長投資枠では日本個別株の選択率がおよそ5割と高く、つみたて投資枠のインデックス投資と二極化しています。非課税枠内での頻繁な売買は、長期の複利効果を十分に享受できない要因になると分析されています。
・金融教育の受講経験は7.1%にとどまる: 金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」によると、日本で「金融教育を受けたことがある」と回答した人の割合は7.1%です。米国の約20%に比べ低水準であり、知識不足のまま投資経験だけが増える「リテラシーの歪み」が懸念されています。
新NISAの普及により資産形成が広がるなか、投資行動の客観的な分析が重要になっています。QUICKが2025年に実施した調査では、新NISA利用者の87.2%がプラスの運用成績を得ており、多くの層が制度を活用しています。しかし、専門家の間では「現在の良好な運用成績の裏で、長期的な資産形成を阻害しかねない行動上のリスクが潜在している」との分析もなされています。
その一つが、目先の価格変動に伴う「売買回転率の上昇」です。過去の一般NISAは非課税期間が5年と限定的であったため、制度的に短期売買を誘発しやすい側面がありました。無期限化された新NISAにおいても、相場急落時に売却を急ぐ傾向が一部で散見されます。資産運用会社のレポートでは、下落局面での過度な売買は長期的な収益機会を損なうリスクがあると指摘されており、投資経験の浅い層における行動の安定性が課題となっています。
また、商品選択の傾向にも特徴が見られます。同調査によると、成長投資枠で「日本個別株」を選ぶ利用者は5割前後に達しています。個別株投資は選択肢の一つですが、非課税枠内で銘柄を頻繁に乗り換える行動は、生涯1,800万円の投資枠を非効率に消費することにつながります。つみたて枠では全世界株インデックスなどの分散型ファンドが4割台を占めていますが、こうした長期視点が成長投資枠でも維持されるかが、資産形成の質を左右すると見られています。
こうした課題の背景として、日本の金融教育の現状が挙げられます。金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査」では、「金融教育を受けたことがある」と回答した人の割合はわずか7.1%に留まり、米国の約20%を大きく下回っています。エコノミストの間では「体系的な教育機会が不足したまま投資を開始する会社員が増えており、それが不適切なリスク管理や高コストな商品選択につながる要因になっている」との懸念が出ています。
新NISAを中長期の資産形成に資するものとするためには、価格変動に一喜一憂せず、分散されたポートフォリオを維持することが基本となります。短期売買による枠の消費を抑え、自身のリスク許容度に応じた投資を継続すること。こうした原則の徹底が、不透明な相場環境下での資産防衛における重要な要素となると指摘されています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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