右肩上がりの市場環境で収益好調:ムゲンエステートの中計を見守りたい

2025年8月17日 17:33

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 ムゲンエステート(3299、東証スタンダード市場)。中古不動産の買取・再販を展開。居住用マンション、投資用不動産が主。

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 2022年12月期の「8.0%減収、27.1%営業増益、5円増配20円配」に続き、前12月期までの収益動向は「65.3%増収、99・4%増益、33円増配63円配」「20.4%増収、62.1%増益、41円増配104円配」。そして今12月期も「29.8%増収(806億9400万円)、13.9%増益(109億6100万円)、8円増配112円配」計画。

 至2027年12月期の中計も、24年12月期比「70%増収(1057億1200万円)、50%増益(96億2300万円)」を目標として掲げている。

 好収益を生み出す市場環境が背景といえる。大幅な増益ステージへの入り口といえる22年12月期の決算資料には、こう記されている。

<東日本レインズ(公益財団法人不動産流通機構)によれば、22年度の首都圏の中古マンションの成約件数は前年から11.0%減少したが、中古マンションの需要は引き続き堅調に推移している。成約m2単価は67.24万円と10年連続で上昇。この10年間で76.1%上昇している。成約価格も4276万円と成約m2単価と同様10年連続で上昇し、4千万円台に突入した。12月の在庫件数は前年比16.6%の2桁増となり11カ月連続で前年を上回った>

<こうした市場環境のもと不動産販売事業は中古住宅の需要の高まりを背景に、前期の新設5店舗の営業所が軌道にのり(12月にはさらに1店舗増設)・・・投資用不動産も件数・金額とも前期を上回り・・・>

 ムゲンエステートでは東証の意向を背景に、「資本コストと株価を意識した経営」を打ち出している。前者については基準とされる予想PBRが現状で既に1.5倍近い水準にある。だけに、予想PERが7倍強には投資妙味が・・・と捉える筋も少なくない。

 ちなみに本稿作成中の時価は2000円トビ台。年初来安値1683円(1月17日)から高値2338円(3月25日)まで買い直されたあとの押し目・揉み合い。押し目狙い構えで好配当利回り(時価:4・52%余)享受も一法か・・・。

 また四季報材料欄でも指摘されているが、アナリストからはこんな声が強い。「現状では首都圏1都3県が地盤だが、西日本開拓の姿勢を見守りたい。京都・那覇に営業所を新設、100億円規模の借り入れ枠設定など本気度覚える」。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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