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期待と信頼を裏切るのは男の恥 そんな経営信条を掲げるフジ住宅とはこんな会社
フジ住宅(8860、東証プライム市場)。大阪地盤。注文住宅で大手。入居者つき中古住宅再販も特徴。
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収益動向は着実。「2024年3月期、5.0%増収、15%営業増益、3円増配30円配/25年3月期、2.9%増収、8.7%営業増益、2円増配32円配」、そして今3月期も着実計画(1.7%増収:1260億円、8.8%営業減益:72億円、32円配)で立ち上がっている。
企業のホームページを覗くと「経営信条・理念」といった類に出会うことが少なくない。
だがフジ住宅の場合、いささか異色。「信条」では「人事を尽くして天命を待つ。期待と信頼を裏切るのは男の恥」。「弊社の評価システム」として、「360度評価」が記されこう説明されている。
「全社員が自分も部下も上司も他部署の上位・下位役職者に対して全てを対象に評価するシステムが導入されている」。
また突如「人間学を学ぶ月刊誌」をキャッチフレーズとする「月刊致知」なる雑誌名が登場。「今井(光郎)会長が、価値観が合う本としている。今井が発起人の一人となり、我々社員を初め多くの方の心の糧になる情報発信を・・・」といった次第。こんな話も耳にした。フジ住宅では営業マンの評価として「件数の多寡」ではなく、「売りっぱなしの有無」に重きを置いているという。
そして最も惹かれたのは、株主構成。第1位の大株主(16.5%保有)に「一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会」、第4位の大株主(7.2%保有)に「一般社団法人今井光郎幼児教育会」が名を連ねている。
詳細は省くが記されている分野で実績有する個人・団体への「給付型奨学金」の提供を行っている。断るまでのなく、今井光郎はフジ住宅の創業者で現会長。
私は2017年に設立されたガクシー(松原良輔代表)を知って以来、貸付型ではなく給付型奨学金の拡幅を願っている。ちなみにガクシーは「50兆円超とされるタンス預金を、学ぼうとする若者に給付型奨学金として活かす枠組みを構築する事業」を展開している。その意味でフジ住宅の創業者:今井氏の施策は高い評価に値すると考える。
本稿作成中の時価は680円台。予想税引き後配当利回り3.7%余水準。1月6日の高値807円から4月7日の安値586円で底を入れ、戻り過程の揉み合い水準。信用取引の現状は26倍の「買い長」。
投資妙味を覚えるが・・・。気にかかる面もある。予想PBRは0.45倍と低すぎる。もっとも「買い材料」と捉えることもできるが・・・。ただ注視しておかなくてはならいのが1000億円超の有利子負債。金利が上昇局面に転じれば重い負担になってくる。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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