リハビリ型デイサービスのインターネットインフィニティーが、セントワークスをM&Aの理由

2025年6月7日 09:09

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 「人手不足⇔離職するスタッフ⇔低賃金」が指摘される介護業界で、久方ぶりに収益街道を好調に歩く業者に接した。

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 インターネットインフィニティー(6545、東証グロース市場)。コロナ禍が依然として足元の環境に重くのしかかる2023年3月期こそ介護保険料マイナス改定も加わり「7.1%増収、38.4%営業減益」も、その後「11.1%増収、139.7%営業増益」「4.1%増収、74.2%営業増益」と切り返し今3月期も「16.4%の増収(60億700万円)、32.4%の営業増益(5億3000万円)」計画。24年3月期に初配当5円を実施、今期は15円配予定。

 この限りでは「とくと今後を・・・」に留まるが、至28年3月期の中計が既に公にされている。「売上高73億9500万円(25年3月期比43.3%増)、営業利益9億8000万円(2.4倍)、売上高営業利益率13・3%(5.5P上昇)」。

 周知の通りインターネットインフィニティーの主軸事業は、FC方式によるレコードブック。リハビリ型デイサービス。身体・脳・社会対応機能を3時間の自重運動で強化する。器具運動でのデイサービスと単純比較はできないが、医療機関でのリハビリ型(理学療法士・作業療法士によるスタッフ型機能回復)に通じる。昨年末で全国に231施設を展開、2万1000人余が通所している。

 並行して、フルケア事業も展開。介護保険適用のベッドをはじめとした福祉用具のレンタル・販売。住宅改修工事。後期高齢者の我が身とすると、手摺の取り付け・段差解消は不可欠な工事。

 株主に対する施策も評価に値する。配当(増配傾向)に加え、株主優待策を実施。3月末時点の単元株保有者に対し2000円分のクオカードを配布している。クオカード優待策は単元株あたり1000円が一般的だが、2000円は稀。

 株価は正直。足元の好収益・中計を評価している。本稿作成時点の株価は700円出入り。予想税引き後配当利回り1.7%余水準。年初来安値(1月17日:466円)から同高値739円(5月28日)まで買われた後の、高値圏での揉み合い水準。

 インターネットインフィニティーは今年2月、セントワークスを子会社化した。同社は中小レベルを軸にした、介護施設向け「経営サポートシステム」「現場サポートシステム」で知られる。DX化を図る存在と理解すればよい。中小介護事業を対象としたコンサルティング事業進出を表明したわけだ。インターネットインフィニティーの今後を占う意味でも、注目に値する。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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